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第757号
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「知覚、感性、美的感覚、芸術でノベーションを起こす」
目次
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〇前書き 「日本人のコア・コンピタンス」
〇本文 「日本経済社会は思考ではなく知覚で理解する必要がある」
〇編集後記 「西洋画と日本画」
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いつもお読みいただきありがとうございます。
令和5年2月1日水曜日メルマガ配信します。
〇前書き「日本人のコア・コンピタンス」
■日本経済の低迷、ひとり当たりGNPのランキング下落、
日本の大学の国際ランキングの低迷など
日本人が自信を失うような事実が続ています。
自虐史観に陥りますます
自信を無くして新しいイノベーションに挑戦
しなくなりつつあります。
こんな時こそ、日本の先人が行ったことを
見直して自信回復が必要ではないでしょうか?
■歴史的にみて
確かに欧米で発明したものを改良し品質を上げ
経済的に成功ものも多くあります。
紡績、列車、自動車、電機、半導体など
世界を制覇した時期もありました。
より良いものを、完成度の高いものを、
感性に訴えるものを作りこむこと
ものづくりでもイベントにおける「おもてなし」
など欧米や他のアジア諸国が
諦めたものをさらにレベルアップする。
■GAFAMのうような少数の企業で
ビッグテックを作り上げるようなイノベーションが出来なければ
逆に多くの企業が市場の小さなニッチ産業をたくさんつくる。
現に自動車やスマホの部品の多くは
日本製のグローバルニッチ企業が支えている。
■日本の大学から博士号取得者が少ないとか
論文発表が少ないとか
特許出願が少ないとか言われているが
物質資本主義が終わろうとしている世界において
日本が先端を走っているかもしれないと
思います。
■これからは縄文時代から地下水脈に流れている
知覚、感性、美的感覚、芸術が
ものづくり、くに造り、ことづくりにおいて
イノベーションを起こそうではありませんか?
日本のコアコンピテンスは
どうやらそこにある。
■さて、
本日のテーマ
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「日本経済社会は思考ではなく知覚で理解する必要がある」
(日本成功の代償:日本美術を通してみた日本、P.F.ドラッカー、ダイヤモンド社)」より
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■マクルーハンが
現代は考える人間から感じる人間に変わったと宣言した。
その背景はテレビなどメデイアの影響とした。
しかし西洋人の知覚については
日本美術の影響でずっと前から知覚的に変化していた。
ドラッカーに言わせるとメデイアではなく
日本の影響だと言う。
現代西洋人が伝統的写実描写と分析から
日本人が昔から持っていたデザインと位相数学に
変化していたからと。
■西洋美術史家のロバート・ローゼンベルグは
現代の西洋美術は西洋北部による
描写からデザインに変化したと言った。
しかし日本ではずっと昔から芸術において
思考より知覚に
描写よりデザインに
幾何より位相に
分析より形態に
に重きを置いた。
■元駐日大使のライシャワーは
日本では第一級のオリジナルな思想は生まれていないと
述べた。
現代日本でも日本人は経済低迷し、
GAFAMのようなイノベーションは起きていないと
批判されている。
日本の自虐史観でも日本人は西洋人のように
論理的思考ができないと言われている。
中世における業績として、
西洋ではトマス・アクイナスの「神学大全」があり
これは人間の歴史上もっとも偉大な思索的分析的業績
でがある。
■しかし中世の日本では
世界初の小説である紫式部の「源氏物語」が生まれている。
そこには男女の生活・愛・病気・死に関する奥深い描写がある。
江戸時代の劇作家、近松門左衛門は
文楽や歌舞伎で歌・踊り・衣装・音楽など
映画が無い時代に映画の手法を考え出した。
日本の伝統の中の知覚は
日本の近代社会の成立・経済活動の発達の根底に
大きく横たわっている。
日本人は外国である西洋の制度や産物のエッセンスと
基本的形態を素早く把握することができ
それをさらに再構成することができた。
日本美術を通して
日本の社会経済を見る時、
「知覚的」という言葉がふさわしい。
〇編集後記(西洋画と日本画)
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西洋絵画は写実を描くのに対して日本絵画は情緒を描く。
西洋文化には論理、美、調和という概念が存在します。
この要素を絵画に持ち込んだのが西洋美術です。
西洋美術では遠近法を使い遠近の対象の違いを描き分け、
絵画の中に現実に対象が存在するように描くことが尊重されました。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」はまさに写実を象徴する。
一方日本絵画では日本人特有の情緒を心象風景として描きます。
心象風景とは現実に存在する風景ではなく、
心の中に存在する風景の事を指します。
情緒を表わす絵画なので、そこに描かれる絵は人の心を癒すような
静けさ、広がりがあります。
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