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「道徳のない経済は犯罪であり経済のない道徳は寝言である」


目次
…………………………………………………
〇前書き  「NHK大河ドラマ『青天を衝け」
〇本文　　「ドラッカーによる渋沢栄一の「日本的資本主義』の評価」
〇編集後記「それぞれが仕事に励むことが仏業だと説いた鈴木正三」
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いつもお読みいただきありがとうございます。

令和3年9月8日水曜日メルマガ配信します。


〇前書き「NHK大河ドラマ『青天を衝け』」


■『青天を衝け』は

「日本資本主義の父」とも称される渋沢栄一を主人公に、
幕末から明治までを描くドラマで

これから現在の日本経済にも影響を与え
ドラッカーが高く評価した
活躍や思想が描かれると思います。


■渋沢栄一は「論語と算盤」が有名で
道徳と経済の融合を唱えていました。

道徳のない経済は犯罪であり、
経済のない道徳は寝言であると。


それから考えると現在の日本経済のどう評価すべきか？

日本経済規模はアメリカ、中国についで
世界３位ですが一人当たりGNPは
20位くらいです。

成長率が低く経済格差はが広がっていると
悲観的見られています。

■しかしながら低所得の中小企業が根強く広がって
売上は小さくてもグローバルニッチ製造企業も
結構多い。

儲けは小さくても社会に役立つ技術や製品を
コツコツと作って持続している企業は多いし、

家庭、企業、銀行、政府全部門が持つ対外的債権
は世界一です。


本題のドラッカーの渋沢栄一の日本経済人への
影響力は残っている。

儲ければどんな製品でもどんな売り方でもやるという
経営者は日本では少ないのではないか？

それが結果として
短期的経済成長を鈍らせているのではないか？


■日本的経営は良い面も悪い面も欧米に影響しており、
欧米経済の低迷をもって日本化していると
言われています。

世界の公益資本主義を唱えたドラッカーは
渋沢栄一の影響もうけているといえます。

渋沢栄一は江戸時代武士道文化
二宮尊徳の神道・儒教・仏教
近江商法（鈴木正三）などがベースにある。


TOC（制約理論）を開発したゴールドラットは
トヨタ生産方式を発案した大野耐一から
影響を受けている。


大野耐一は豊田佐吉から
豊田佐吉は報徳思想の二宮尊徳から
また古くは江戸時代初期の
近江商法（鈴木正三）の思想が日本では根付いている。


■次回の最終回【ドラッカーコミュニティカレッジ】のテーマは
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■さて、
本日のテーマ
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「ドラッカーによる渋沢栄一の「日本的資本主義』の評価＞
(P.F.ドラッカー、ダイヤモンド社）」より
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■日本以外の国では、
利益集団が無数に組織化されている。

経済団体、産業別組合、専門学会、職能別組合
、ギルドの一つ一つが
自分達の利益を求めて政治に対してロビー活動をしている。

ドラッカーから見ると日本の指導者は
自分の組織の利益より前に
何が国にとって良いか「国益」を優先している。


■日本の経済界のリーダーは
自分たちの利益になることを
国民の価値、国益に当てはめようとする。

決して自己犠牲ではない。

一見偽善に見えるが形式上はまず第一に
「国益とは何か」を自問しなければならないという
ルールがある。

日本の労働組合は組合員にとって良いことは
国にとっていいことだと言い続けているが
日本国民の支持を得られていない。

■近年の日本の経営者は質が落ちていると言われているが
明治以来の日本の資本主義経済の下で
日本の経営者は「国益優先」のルールを守ってきた。


このルールは渋沢栄一が最初に設定したと
ドラッカーは観ていた。

日本経済の中で数百の企業を興し、
雇用を作り社会政策に関する多くの成果が
渋沢栄一の発言に重みをもたらした。


■壱万円の新札にもなり
NHKの大河ドラマにもなっている渋沢栄一の影響は
今も日本的経営に影響を与えている。

経営者は国益の求めるものは何か
熟考することが要求される。

資本家優先の経営が近年勢力を伸ばしている。

しかしながら経営者は日本的資本主義の原点である
渋沢栄一の「国益」を意識して
政策を決定し提案し推進することが要求される。



〇編集後記（それぞれが仕事に励むことが仏業だと説いた鈴木正三）
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鈴木正三は，徳川氏の家臣であったが，戦国時代が終わると
僧侶になり代表的著作「四民日用」では四民（武士、農民、
商人、工人）がそれぞれの仕事に励むことが仏業だと説いた。
仕事に，精一杯打ち込んで働いていけば，それが，
人間として完成していくことになると，民衆の日常に目を向け，
職業倫理を日本で初めて説いた禅僧だと言われている。
正三は，この考えを広く民衆に広め、三方良しの近江商法の
思想的元祖だとも言われている。
ちなみにドラッカーが「産業人の未来」で世の中をよくするのは
政治家でも哲学者でも経済学者でもなく日常働く人、産業人だと
言ってマネジメントを発明するきっかけとなった思想と同じだと言える。
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