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「トヨタは西洋の発明を日本化した」


2016年9月28日水曜日、彼岸過ぎても残暑が厳しい日々ですね。

皆様お元気でしょうか?

最近同窓会は「古希祝い」の案内となり
古希でありながら博士論文目指して研究している身としては
「若さは精神であると」居直るしかありません。


■9月26日月曜日
同期ではありませんが
大学の専攻学科の年代を超えた同窓会、
京機会(京都大学機械系卒業生の会)の中部地区の主催で
トヨタ自動車の工場見学と講演会に参加しました。

ジャストインタイムと自働化の工場と
水素燃料電池車MIRAIの組み立て工場を見ました。

トヨタの永続する改善、環境にやさしい技術開発の講演を聞き
世界に誇る日本のものづくりの原点を感じました。

世界の自動車業界が不正が発覚する中で
真摯な姿勢でものづくり励むトヨタは
豊田佑吉の綱領にある二宮尊徳や
三方良しの近江商法の思想「四民日用」を著わした
三河武士出の僧侶鈴木正三の
日本的経営の代表だと思いました。


■株主資本資本主義に日本的経営が侵されつつあるなか
経済力の基礎はものづくり日本に再生にあると思います。

そして日本の経済力、技術力は
国の安全安心の防衛力、国力の根本になります。

トヨタが破たんすると日本の経済力や国力にも悪影響を及ぼすと
まじめに考えています。

その意味でトヨタの責任は大きいと思います。



■又再度ご報告しますが、
18日日曜日
小名木善行先生の「倭塾」に参加しました。

http://k.d.combzmail.jp/t/ce7j/f07a9fu0mq0yr94get0Wa

小名木先生は自虐史観の現代史で失われたしまった
日本のものづくり、くにづくりにおいて
自然と共生する日本人の真実の史実を
数多く紹介してくれます。

古事記から戦前戦後の事件の中に日本を再発見する
目から鱗の歴史を学べます。

米国のMOT(技術経営)のイノベーション事例でも
例えばボーイングの飛行機でも過去の成功失敗の歴史を
分析することで多くのイノベーションを起こしていることが
分かります。

過去を知らなければ未来の展望は描けません。



さて、
本日のテーマ
====================
「西洋化ではなくで西洋の日本化をした日本」
「日本人の価値観:生命本位の再発見」(立花均、ぺりかん社)より
==================

■脳死に対する日本人と非日本人(西洋人)の考え方に違いがある。

日本人は脳死を死と認めることに抵抗があるが
非日本人は比較的に人の死と認める。

西洋人は抽象的理性を
身体を含めた生命より上位に置くので
理性を司る脳が死ねば終わりだとする。

日本人は生命は脳だけではなく身体全体に置く。

頭(理性)より、
心(心臓)や腹に生命があると本能的に知っている。

■「理性」的に考えれば人間は生きている間は身体も動かせば
感情も動かし、抽象的な理性を働かせ思考する。

死んでしまえば身体も感情も動かなくなり抽象的に
理性も働かなくなると捉える。

しかし日本人でも理性や抽象的思考は重要だと認識しながら
身体は違和感を持つ。

欧米の理性主義、リベラリズムを信奉し、
自分は違和感を持ちながらも日本人は自らを遅れていると
自虐観を持つ。

自虐観を持ちながらも日本人の魂は捨てきれない。


■仏教という抽象的理性が日本に伝わっても日本的仏教は
神仏習合というハイブリッドになった。

そもそもインドや中国の知的風土、理性主義的宗教は
現世否定でありその骨格は
超越的価値を希求するものであると言う。

一神教の西洋でも永遠の真理とか
変わることのない科学的真理を大切にしてきた。

ビジネスの世界でもコンセプトや戦略が重視される。

日本では現場が第一である。

トヨタのジャストインタイムや自働化は現場から生まれた。

米国のビジネス用のソフトウエアは日本には馴染まなくても
日本以外の中国や韓国、東南アジアではすんなりと
受け入れられる。

■人間社会はビジネスも含めて理性だけでマネジメントできない。

ドラッカーは例外的に欧米人でありなら
日本を理解していた。

日本は外来思想の仏教や儒教国にはならなかったし、
キリスト教も含めて西洋化はしなかった。

むしろ外来思想を日本化した。


神仏習合のように日欧米習合した唯一の国である。

世界は西洋化した日本ではなく、
世界を習合した日本を必要とする
とドラッカーは言った。

トヨタは西洋の発明を日本化した。


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imaoka@bizdyn.jp

今岡善次郎


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