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「生きものとしての企業システムSCM」


2016年7月20日水曜日,今年の夏は平年より暑く
熱中症患者が昨年よりかなり多いそうです。

■人間には気温や湿度の環境負荷に対して自律神経系の
制御機能を持っていますが、
負荷が無いとその能力は低下する。

しかし負荷が強すぎると
機能が破壊し生命の機能を停止してしまいます。

人間の身体は機械と同様、常に動的負荷に晒されている。

人間でも機械でも経営システムでも
動的負荷を制御することで持続可能な状態を維持できます。

最近は動的平衡といい、昔はサイバネットシステムや
ホロン構造というのが流行りました。


■先週16日土曜日、三菱総研の執行役員の高寺氏主催の
「流通楽座会」という研究会参加しました。

メリルリンチ日本証券リサーチアナリスト青木英彦様による
「流通業界を襲う三つの荒波」の講演とその後の交流会で
以前からSCM分野で知り合った有名な知人とも
再会し楽しい時を過ごしました。

青木氏とは初対面でしたが
僕の著作を読んでくれておりリサ―チレポートに参考にしたことも
あると言ってくれてありがとうございました。

この講演内容と交流会での議論のポイントを僕なり纏めると

・メーカー、卸、小売りの機能分担、経営と現場と投資家の役割分担
で全体を見て全体で最適制御する視点を持つ経営が業績を上げている。

・SCMでは以前から言われながら成果ある実践していないのは需要変動という
動的負荷を制御できないから。

・出来合いの理論やフレームワークに頼り自分の頭で現実に向き合う
人材が減っている。

でした。


さて、
本日のテーマ
====================
「生きものとしての企業システム」
「システム再構築入門」(金田秀治、ぱる出版)より
==================

■金田氏は生産システムの制御問題として
経営を認識しようとしていた。


制御問題はある目的のために
インプットからアウトプットを得るために
インプットをどのように与えればいいか
という問題である。

僕も大学時代に興味をもっていたテーマである。

■古典制御理論と現代制御理論があり、
その方法論が違う。


僕なりの解釈では
古典制御理論はシステムの特質の
時間的な動きはブラックボックスにして
振動の周波数で把握する。

現代制御理論は
システム変数の時間的挙動を運動方程式でモデル化し
目的関数を最適化するため
インプットである制御変数の値を実時間で決める。

■古典制御理論は電気回路の制御に
現代制御理論は
宇宙開発においてロケットや宇宙船の軌道制御の目的で
開発された。

自動制御技術の技術の進化であり、
最近のIOTやICTの情報通信技術を
理論的に経営システムにつなげる方法論になると
思うが、現代の議論では情報技術に偏っているように
見える。

■1960年代から70年代に僕が大学生だったころに
流行ったサイバネッテックスやホロン経営に繋がる技術だと
思います。

サイバネットシステムとは
宇宙や自然現象、人間や生物に見られる変化対応の
制御機能を技術開発や経営に役立てようという
手法だが専門分野毎に切り離されて進展が無いように見えます。

ちなみにホロン構造とは
サンタフェ研究所の複雑系研究では
フラクタル構造とも言い、
全体が部分になり部分が全体になる階層構造、
又は入れ子構造ともいう。

僕の20年来のテーマSCM(サプライチェーンマネジメント)
も実はサイバネットシステムやホロン構造で
モデル化できると考えています。

端的に言えば生きものの機能を
企業経営論に活かす手法です。


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imaoka@bizdyn.jp

今岡善次郎


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