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「産業社会構造の変化と日本企業の競争力&イノベーション」


2016年3月9日水曜日になりました。

皆様、年度末にいろいろとお忙しいとは思いますが、
少しお時間下さい。

■6日日曜日、東京工業大学大学院イノベーション科主催
ストラテジックSCMコースの特別講義を
聴講する機会を頂きました。
http://k.d.combzmail.jp/t/ce7j/f0vst8s0iqtclofs5tfyn

大和ハウス工業株式会社 常務執行役員
浦川竜哉様の特別講演
「建設・不動産セクターからみた産業社会構造の変化と
日本企業の競争力&イノベーション」はとても参考になりました。

我々が計画している「ものづくり日本の手法:21世紀義塾」
の視点から勝手ながら3点にまとめて
印象を述べさせていただきます。

1.実践的で効果的なサプライチェーンを構築している。

例えば
国内生産の海外移転で工場跡地を物流センター変換し
顧客価値を上げる。

海外で生産した中間品を大量輸送で輸送費を下げる一方
顧客までの配送は
ジャストインタイム小口多頻度生産物流システムで供給する。

プレハブ住宅からスタートしたものづくりの手法は物流を含む
サプライチェーンに活かされてる。


2.生産の空洞化という産業構造の変化を危機としないで機会にしている。

工場が物流センターになっても物流加工という
仕事を変換創造している。

地主との協業で土地の有効利用、
金融機関との協業で新しい金融商品を開発、
多様な社会資源の活用など
従来の産業分類の枠を超えたビジネスモデルを開発している。

自社や特定の顧客だけが儲かればいいのではなく、
行政を含めて「三方良し」の日本的手法である。

ドラッカーの社会生態的共生である。


3.長年の顧客との付き合いで信頼を得て顧客の問題解決に貢献している。

夫婦でも長い間に信頼関係を築いているとお互いに問題を
言わなくても気が付くと浦川氏は言う。

戦略はドメインとかセグメントというマクロ分類でなく、
ミクロな人と人につながりで結果として創発される。


■現場から学ぶ、顧客のために、社会のために、
新しい仕事への転換など産業構造変換の時代は柔軟な発想で
ひとり一人が企業家精神をもって
時代を切り開かなければなりません。

大和ハウス工業の事例は大変参考になりました。



さて、
本日のテーマ
====================
「学ぶ場と仕事をする場の境界がなくなる」
(「ポスト資本主義社会」P・F・ドラッカー、ダイヤモンド社)より
==================

■教育とは学校の独占ではなくなりつつある。

学校は教育機関の1つに過ぎなくなる。

企業での教育訓練は新入社員教育に限られていたが
今後は継続的な社会人教育として多様になっていく。

伝統的には学校が学ぶ場で職場は仕事をする場だったが、
現在の知識社会ではもう通用しない。

■知識は国境を越えて日々増殖している。

雑誌や書籍で新知識は無数に発信さており、
ネットでもブログやメルマガ、facebookなどで
埋もれた知識が異なる知見で蘇る。

教育とは知識の取得ではなく、
人の心に役立つことである。

ある顧客満足という心の問題を
科学知識を使って製品化しものづくりに反映するためには
無数にある知識を編集しなければならない。

■ソニーを創業した井深大の最後の講演が
先週の日刊工業新聞に紹介されていました。


デジタルだ、アナログだなんていうのは道具立てにしか過ぎない。
これは技術革新に入るか入らないかくらい。
デカルトはものとこころが2元的で独立すると表現したが
ものと心は表裏一体。
物質だけという科学は次の世界では成立しない。
顧客満足とは心の問題。

人間の心を満足させるために科学がありものづくりがある。


■IOTとかI4とかマーケテイングやイノベーションのテクニックや
MBAの戦略論、MOTの技術戦略などが成果を上げるためには
人間のこころと「論理」ものを一体化する必要がります。


編集工学の松岡正剛さん流に言えば
「こころ」と「もの」の間で
又は「心」と「論理」の間を
編集することがイノベーションになる。


そのために多様な社会人教育があっていいし、
先が見えない時代には学校に閉じない
教育が要求される。

学ぶ場と仕事をする場との間の社会人教育の場
「21世紀義塾」を開講します。



●ご質問ご意見は気軽に
返信で意見よろしくお願いします。

imaoka@bizdyn.jp

今岡善次郎


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法政大学理工学部経営システム工学科非常勤講師
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