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第324回
★ドラッカーから学ぶ仕事の哲学★
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「ヤジロウベイと経営のバランス」
お早うございます。
今日9月3日水曜日、
猛暑の8月は過ぎ再び秋から冬が巡ってきますね。
留まることのない季節も人生も
昔の人は「無常」と言いました。
■青梅街道 今岡‘塾‘(ドラッカー塾)2014年春期(第7期)は
8月23日で10回終了しました。
それぞれ平日と週末2回開催しましたから
20回開催したことになります。
今までの塾生中心に
13人のゲスト講師に講演頂きました。
ポリシ―(メダカの学校)
「だれが生徒か先生か」で塾長である僕も
みなそれぞれの人生経験の中でお話して頂き大変
勉強になりました。
ゲスト講師して頂いた方もご参加頂いた皆
本当にありがとうございました。
■ドラッカー中心に今岡‘塾‘運営していますが
ドラッカーの社会生態学思想はいのちのエコシステム
として組織や社会をマネジメントする思想です。
日本的経営はエコシステムとして
仕事を考えます。
江戸時代初期
近江商法の思想的基礎を作った鈴木正三は
商売は仏業であり、シャバ(市場)とは恩恵受け、恩を返す場であり
奪う場ではないと言いました。
今日は間に会いませんでしたが
青梅街道 今岡‘塾‘第8期の予定作成中です。
第1回は10月9日木曜と11日土曜日です。
追って詳しくご案内差し上げますので
是非時間を調整して頂けるようお願い申し上げます。
■生産システムも企業システムもエコシステム、
複雑系、有機システムとしてのシステム論が
今岡‘塾‘のコンセプトです。
システムを部分に分けないで全体として統合体として観る。
複雑さを回避するヒントはシステムが調和する
(バランスする)支点にある。
TOC(制約理論)では流れ(フロー)のボトルネックを
支点として全ての仕事を回すことであると
故ゴールドラットは言いました。
トヨタ生産方式では顧客への出荷を支点として
上流の仕事を回すカンバン方式が有名です。
ロルフィングという米国発のボデイケアは
筋膜によって身体の重心を支える支点と重心が重力の
方向と合うように調整する。
ヤジロベイは剛体の重心が支点の下にくることで
バランスする。
エコシステム経営のドラッカーは
企業は顧客満足によってその存在を支えられる
と言いました。
今岡‘塾‘もエコシステムとして思想を支点として
進化しています。
是非皆様のご参加お待ちしています。
imaoka@bizdyn.jp
今岡善次郎
さて、
本日のテーマ
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1.悪とはいのちの欠損(森信三全集)
2.組織の社会的責任
(ドラッカー「ポスト資本主義」)
3.事例研究:改善(KAIZEN)
「システム再設計入門」(玉川秀治、ぱる出版)
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1.悪とはいのちの欠損(森信三全集)
■人間の有限性を認識する時
無常観と罪悪感の二つが古来からあるという。
無常観とは万物は変化して留まることはない。
いのちも同じである。
罪悪感とはいのちの欠損によって
引き起こされる。
■人も組織もいのちとして存在しているものは
無常である。
変化して止まない。
変化するいのちに対して真の充足感が得られない時
罪悪感を伴う。
いのちの充足感とは自分を含めて
自然や社会との繋がりを感じることなのだ。
他人を犠牲にして自己の利益を目的にする時
健全ないのちは罪悪感を持つ。
■罪悪感から逃れる手段、いのちの欠損を補うために
人間に与えられた知性が「総合知」だと。
視覚、聴覚、走力、飛力など、
人間より勝る能力を持つ動物が多い。
人間には単独では動物に劣っても
自然界の能力を総合する「総合知」がある。
人間に与えられた知性とは有限で無常ないのちを
罪悪感のない所作(行為)に導くためにある。
それはドラッカーや鈴木正三の思想と同じ
マネジメントの原理である。
■自然や社会に対して責任を取ることが
罪悪感から逃れ手段である。
人類は今、未曾有の危機に瀕している。
環境も経済も地球の健康も
いのちへの無限の調和が求められている。
いのちに対して真の充足感を得る
マネジメントが必要とされている。
2.組織の社会的責任
■企業、病院、大学、行政・・・あらゆる組織は
社会的機関である。
それぞれ特有の一つの目的を持って
成果をあげ、社会に貢献する。
自らの専門能力、価値観、機能に限定して、
社会のシステムが全体として有機的に構成されて
社会が安定する。
■ドラッカーによると、
組織が自らの役割を超えて政治的な課題に取り組む時
必ず失敗すると言う。
アメリカではある病院が都市部の社会問題に
取り組んだり、
ある学校が人種差別撤廃を図る活動に
エネルギーを注いで本業を疎かにした
事例を上げる。
本来の役割よりも
政治的な目的を持つと失敗する。
■アメリカのノーベル賞経済学者ミルトン・フリードマンが
企業の責任は経済的な業績、すなわち利益に責任を持てば
いいと言った。
ドラッカーはそれは不毛な考えだと批判する。
利益は企業が社会的責任を果たすために
存在条件にしか過ぎない。
利益のために何をしてもいいわけではない。
■組織が社会的責任を果すために利益と力が必要であるが
利益と力は目的ではなく手段である。
責任と力・利益は一体である。
責任を伴わない力や利益は、長期的には
組織を退化させる。
騒音、大気汚染など環境破壊する企業は
社会から受け入れられない。
社会から受け入れられない組織は
当然の結果として利益は上げられない。
組織の社会的責任が組織に力と利益をもたらし、
組織の存在が社会に認められるようになる。
組織も個人も同じである。
3.事例研究:改善(KAIZEN)
「システム再設計入門」(玉川秀治、ぱる出版)
■1980年代の日本経済がバブル期に到る時代、
日本の製造業は欧米に対して
脅威となっていた。
日本の製造業の強さの研究が、
特にトヨタを中心に行われた。
その中で注目された言葉が「改善」であり、
KAIZENとなって国際用語になった。
トヨタ式生産システムはリーン・オペレーションになり、
TOC(制約理論)として理論化された。
■米国でKAIZENやリーン、TOCが普及するのに対して
日本経済は1990年代のバブル崩壊、
長期化するデフレ経済になって
自信を失った日本は、
伝統ある過去を否定して米国流経営を持てはやした。
欧米は日本に学び、日本は過去を捨てて
欧米に学ぶという現象は
相互に異質なナレッジを統合する国際的な
進化と言えるかもしれない。
■1980年代米国でGMやクライスラーに対して
フォードが抜きんでるということがあった。
その理由が実はKAIZENにあった。
フォードはデトロイト流仕事の進め方や思いこみを
脱却した。
実はトヨタ自動車の大野耐一の影響で、
TOC(制約理論)を開発した故ゴールドラット博士は
その著作「ザ・ゴール」で
「パラダイムシフト」という言葉を使っている。
■金田氏によると
フォードはデトロイト流の伝統の打破においてトヨタから
見ると目新しいことは何もないと言う。
例えば
・品質を第一目標にする
・消費者サ―ビスを中心に考える
・チームワークを促進する
・従業員参加
などは当然だと考える。
これらはまさにKAIZENのパラダイムである。
ちなみにドラッカーの社会生態学思想では
企業は資源を顧客価値に変換する
経済連鎖の一つの環であるという。
ロジックだけではない、
人間学に裏付けされたマネジメントである。
消費者、チームワーク、参加
が改善のキーワードである。
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の関係でしか、存在しない。どんな専門も他の専門との連携でしか
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科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
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