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                   第298回   
     ★ドラッカーから学ぶ仕事の哲学★ 
     
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◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

「『いのち』のシステム」


お早うございます。

今日もルマガお読み頂きありがとうございます。

年度替りのこの時期はいろいろ慌ただしい時期ですね。


●15日の土曜日奉職している多摩大学大学院で
卒業式とその後謝恩会があり、
参加しました。

卒業生と言っても
企業でマネージャーの要職にある社会人であり
自分の仕事をテーマにして論文を書きます。

修士論文の指導教官の一人として
ほんの少しだけアドバイスした二人が優秀論文賞をもらったと
報告を受けて大変うれしかった。

僕から見て彼らはサラリーマンとして
真摯に会社のことと自分の生き方を考えている。


●企業にとって製品の品質も人事政策における
人間の本質もドラッカーの社会生態系(エコシステム)
で語ることができます。

エコシステムも複雑系も有機システムも
「いのち」のシステムである。

日本的なものを否定し欧米の知だけを取り入れるのではなく
日本的なイノベーションの知を探せば
凄い事例がたくさんある。

一人が僕の授業で
「今までの先入観が壊れされてショックを受けた。
だけど心地よいショックだった」
と言ってくれました。

ドラッカーを日本人的感性で習慣化する
マネジメント塾開催しています。

■■4月10日新スタイルで開講!・・・・・・・・・・・

第7期2014年春「ドラッカーマネジメント塾」のご案内■■


誰のため何のための仕事かを問う「仕事の哲学」。

成果を上げるための力量をどう磨くか。

マネジメント実学のツールを網羅しました!


■江戸時代の日本画から日本人の感性に共感した
ピーター・F・ドラッカーは社会生態学思想家であり
「いのち」の人間学に立脚したマネジメントを発明しました。

ドラッカーを元に東西の知を換骨奪胎し、
いのちを「こころ」と「あたま」と「からだ」
(心技体)の枠組みで体系化しました。

3年経過し多くの方に共感して頂きました。

4年目に入り参加頂いた方の中からゲスト講師として
お話して頂きます。

飲食を楽しみながらの気軽な交流の場として、
実践の実学としてご活用下さい。

■第7期の変更点

過去3年間の塾生を中心に10人の方にゲスト講師お願いします。
10回に増やします(4月から8月まで)
平日参加しやすいように18:30開始を19:00開始にします

日程、料金、申し込み方法、場所等
詳しくは以下チラシをご覧ください。

ダウンロードチラシ

http://k.d.combzmail.jp/t/ce7j/d05x1dt07nxa55f8cw9rR

お待ちしています。


さて、
本日のテーマ
===================
1.世界観は実務能力につながる(森信三全集)
2.新しい社会を創造するマネジメント
(ドラッカー「ポスト資本主義社会」)
3.事例研究:
ハーマンミラー社「どんな組織になりたいか」
'Leadership Is an Art'
(邦訳 響き合うリーダーシップ、海と月社)

===================

 
1.世界観は実務能力につながる(森信三全集)

■人も組織も社会も、
そしてそれらを含む自然、
ドラッカーの定義のエコシステムも
階層的に生成された「重々無尽」の「いのち」
である。

このような世界観は西洋にも東洋にもあると
森信三は言います。

■西洋では数学と自然科学的教養がある
ライプニッツの「単子論」がそうである。

世界は一つの「いのち」から成り立つ。

いのちは重々無尽の複合的階層的になっている。

東洋では華厳(けごん)経の
世界は無限の網(ネットワーク)
で繋がっていると言う思想があります。


■問題はどんな哲学が
日常の苦悩、日々の問題を解決してくれるか?

西洋的分別知によると
哲学を語る知的人々と我々凡人に間に
厳しい一線を画し、両者を峻別する。

専門家とそうでない人々、
指導する人(リーダー)と従う人を分ける。


■森信三によると
華厳経の重々無尽の教学から禅が生まれ、
日本では武士階級を中心に展開して
日常の問題や苦悩に対する道を拓いた。

宇宙と繋がる世界観は実務であるマネジメントに
活かされるという点ではドラッカーと通じます。

MITのマネジメントの先生である
オットー・シャ―マーのU理論も宇宙と繋がる
使命感がイノベーションの動機となる
という
思想です。



2.新しい社会を創造するマネジメント

■ドラッカーはマネジメントという言葉に
新しい意味を持たせたと思います。

マネジャーは経営管理者と訳されていますが、
伝統的概念、今でも一般的な解釈は
「部下の仕事に責任を持つ者」です。

しかしドラッカ―の解釈は
「知識の適用と知識に責任を持つ者」
としました。


■知識とは
土地、資本、労働などの経営資源の一部だが、
全ての経営資源の中核にある。

マネジメントとは
土地や労働や資本を成果に結び付ける知識を
現実に適応する知識である。

知識を使う知識であり、メガナレッジとも
言えます。


■知識は行動によって活かされる。


知識は個別の経験を一般化した情報であり、
原理であり法則である。

エンジニアリング、医療、介護なども
そして組織や社会をより良くするためにある。

技術的手法であるが新しい現実の変化に対して
常に未完成である。

■ドラッカーのマネジメントの定義によれば
マネジメントは新しい社会を創造するツールとなった。

専門家である知識人に力を与える。

しかしドラッカーは
専門知識による実務能力に加えて
別のもっと大事な問題を解決しなければならないと
言った。

社会を繋ぎ人生に意味を与えるもの、
価値や信条に関わる基本的問題も含むべきであると
解釈しました。


3.事例研究:
ハーマンミラー社「どんな組織になりたいか」
'Leadership Is an Art'
(邦訳 響き合うリーダーシップ、海と月社)

■人はどんな生き方をしたいかと考えるように
組織に対する愛着があれな
組織の人間もどんな組織になりたいかという
基本的なことを考える。

ハーマンミラーは
組織に対する愛着を育むためにどうしたらいいかの
ヒントを与えてくれます。

一つの方法として
組織の歴史、どんな動機で組織化され
どんな人々が関わり
どんな問題が発生しどのように解決してきたのか。

どんな組織にしたいのかのビジョンを
皆で探ることである。


■リーダーは皆とともに話合い
自分も深く反省し考えなければならない。

リーダーが自分の考え方に固執して
異なる見解を排除してはならない。

組織にいる人々が望む姿を「心の関係」
として把握しなければならない。


■何のために組織はあるのか
誰のために存在するのか
何をしなければならないのか。

このような根本的な問いを
ドラッカーは強調しています。


■ひとり一人と組織の価値観を
日常生活や日常業務に反映させること。

正義と知恵と知識を探し求めること。

人と仕事の理想的関係を求めること。

変化にどう対処するか、争いにどう対処するか。

一人ひとりが潜在能力をどう発揮させるか。

どんな組織になりたいかという
根本的なビジョンが全員の熱意や愛着を生むと
マックスデブリ―は言います。



●ご質問ご意見は気軽に
返信でご意見よろしくお願いします。

imaoka@bizdyn.jp

今岡善次郎


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多摩大学大学院客員教授
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部分である人は人との関係でしか存在しない。仕事の場で人は組織
の関係でしか、存在しない。どんな専門も他の専門との連携でしか
仕事の成果を生まない。企業は社会との関係でしか存在しない。
科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
企業は社会の一部である。