◆━━━今岡善次郎のマネジメント・メルマガ━━━━━◆
第292回
★ドラッカーから学ぶ仕事の哲学★
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「日米マネジメントのハイブリッド」
お早うございます。
●大寒が過ぎて真冬の東京も
日照時間が長くなりつつあります。
身が引き締まる寒さの中、快晴の青空の下
昨日21日の昼前近くの青梅街道杉山公園から
中野通りを北に一人散歩しました。
人通りの多いJR中野駅周辺を通り抜け
早稲田通りを越えて新井薬師公園まで30分弱
の道は通常の散歩コースの一つです。
新井薬師公園では子供を連れた若いお母さんが
シルバー世代の男性のギター演奏
を聞きいっていました。
●忙しい週の静かなスタート切りました。
今週は木曜、金曜、土曜、日曜連続で
カフェ塾2013年秋平日コース最終回
多摩大学大学院2013年秋期最終講義
カフェ塾2013年秋週末コース最終回
家族会の定例会
と続きます。
もうすでにご案内済みですが再度最終案内します。
■■カフェ「ドラッカーマネジメント塾」ご案内■■
テーマは「日米マネジメントのハイブリッド」です。
サブテーマは「ドラッカーと日本的イノベーションTPS]と
「日本的経営とドラッカー、ゴールドラット、ジムコリンズ」
です。
23日ゲスト講師のロルフィングも
日本的感性と米国の合理的科学的な身体感のハイブリッド、
25日ゲスト講師による海兵隊と時間ベース戦略も
日本の武士道やモノづくりのスピードと
米海兵隊の多芸と現場実践のハイブリッドに見えます。
■1月23日木曜
タイトル「ロルフィングによる身体のイノベーション」
ゲスト講師 米国認定ロルファー 川口舞子氏■
ドラッカーの社会生態学マネジメントを
「人・部門・会社」を「細胞・器官・身体」のメタファー(比喩)
の原理で説明しました。
アイダ・ロルフという生理学者が東洋思想も取り入れ
独自の解剖学知見にもとづいて20世紀後半
米国で開発発展したロルフィングについて
解説して頂きます。
身体の構造を筋膜のネットワーク連鎖でモデル化するのは
僕がテーマにしている企業や産業をサプライチェーンで
モデル化するのと類似しています。
サプライチェーンマネジメントが企業の高収益体質を
目的とするように
ロルフィングは身体を通して心身の体質
改善(イノベーション)する目的を持ちます。
米国を中心にプロのスポーツや芸術やパイロットなどの
パフォーマンス改善に広がっているそうです。
■川口舞子さんは自ら施術を行うボディセラピストでもあり、
ボデイケア・サロンのマネージャーでもあります。
僕の多摩大学大学院の公開講座で知り合い、
現在当大学院の院生でもあり、
又カフェ「ドラッカー塾」の塾生として
何度か参加して頂いています。
医療や健康などの効能を訴えることが主目的ではありませんが、
腰痛予防の座り方など即役立つ生活方法もお話してくれます。
大自然が創った身体の神秘から
人間学によるマネジメントに大きなヒントが得られます。
■1月25日土曜
タイトル「米海兵隊とボイド大佐のタイムベース戦略OODA」
ゲスト講師 コンサルタント 有富嘉哲氏■
ドラッカーマネジメントを「精神・戦略・実践」
で説明してきました。
実践の領域ではドラッカー原理を「時間・フィードバック」
の項目でドラッカーのメッセージを紹介しました。
仕事における戦略や実践は
戦争における勝利の原則が有効であることは「孫子の兵法」や
「ランチェスター戦略」で有名です。
このカフェ塾でも「孫子」や
「ゼロ戦のパイロット坂井三郎の生還戦略」
についてご紹介しました。
■有富氏は富士通総研、三菱総研にて
コンサルタントの経験を得て
現在独自の手法を研究しています。
僕がドラッカーから東洋思想や西洋の脱近代思想に
関心が深まったように
有富氏もコンサルタントとしての経験と
戦略論や東西の思想の研究の中で僕のドラッカー塾を知り
第6期の塾生として参加しています。
ボイド大佐は朝鮮戦争での凄腕空戦パイロットとして
戦闘状況の勝因分析を元に、さらに他学問を含めた”総合”
という視点から、時間が決め手になる意思決定論OODA
(Observation Orientation Decision Acttion)を
理論化しました。
最近米国でスピードの重要性を日本のジャストインタイムとともに
OODAがビジネスの世界で研究されているそうです。
戦争の目的は古来、破壊や殺人ではなく平和への手段であり
マネジメントの一部です。
ドラッカー思想の中でOODAを学ぶことは
実践につながります。
ホームページ(写真付き)
↓
http://k.d.combzmail.jp/t/ce7j/d0xytos06nhilo909rmEr
チラシ更新
↓
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スポット参加大歓迎!
スポット料金参加費4000円
(1期〜5期フルコース参加者は
スポット参加料金半額の2000円です)
申し込みお待ちしています。
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・所属
のみで結構です。
さて、
本日のテーマ
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1.天地一切がいのち
2.社会が個人を従属させる国民国家
3.事例研究:
ハーマンミラー社「リーダーシップ3つの人間の特徴」
'Leadership Is an Art'
(邦訳 響き合うリーダーシップ、海と月社)
===================
1.天地一切がいのち
■前回は主体と客体と言う西洋的論理思考の
限界を指摘しました。
論理的な思考では
神が人間を作ったように人間が自然や社会を
客体として
コントロールしてマネジメントしようとした。
森信三はこの主体客体区分は
主体重視、個人主義の基礎であり、
個人的自我を絶対視する弊害の元だと言う。
■客体としての自然を生命の無いもの
として扱う。
主体と客体の区別は
創るものと創られるものを分ける。
創造者と被創造者を分ける。
旧約聖書では創造者を「神」という。
だから神と人間は一緒にできない。
■森信三哲学によれば西洋はロゴス(論理)的
である。
それに対して東洋、日本では
パトス(精神)的であり、
「いのち」が「いのちの分身的創造」をすると
考える。
分身と言うのは己が身を割いて
相手に全存在を与えるということである。
人は神の一部である。
日本の神話の神も人のように強欲であったり
慈悲深かったりする。
■「宇宙世界とは何か?」の問いは
人間とは何か
自然とは何か
そして人生とは何か、仕事とは何かの問い
など根本的な問いに繋がっているのです。
どんな答えをしても自由なのだが、
人生にとって社会にとって意味のある答えが欲しい。
森信三哲学は
この大自然あるいは宇宙は天地一切のいのちが
人間のいのちを創り
人間が創るものにいのちが宿る
という思想です。
企業も社会も自然も自分と同じいのちなのである。
エコシステム(生態系)もいのちです。
2.社会が個人を従属させる国民国家
■ドラッカーが予測した通り
ベルリンの壁が崩壊しソ連の共産党国家が20世紀末に
無くなり、そして今
欧米の資本主義社会である国民国家も
財政的に行き詰っています。
西洋では400年前君主国家から国民国家が誕生し、
日本では150年前に
徳川幕藩体制から明治政府の国民国家が
誕生しました。
■西洋における国民国家とは何か、
ドラッカ―は興味深い洞察をしています。
国民国家の誕生つ繋がる思想の元祖は
ライプニッツのキリスト教世界の再統一だった。
個人の自由に任せると世俗的信仰が台頭し
虐政にならざるをえないとした。
だからキリスト教で国民を支配する
国民国家を作ろうとした。
ルソーはその一世紀後にキリスト教ではないが
全人類を完全無欠にすることで社会を救済できると
考えた。
個人を社会が支配すべきだとした。
その延長にマルクスが「個人」を
「歴史的客観法則」に従って社会に従属すべきだとした。
そしてヒトラーもその延長線にあり
社会による個人の救済を目的としたというのです。
新しい人間を創ることによって
理想の国を創る野心に燃えた。
国民国家の権力が強化される歴史だった。
■そして
第2次世界大戦の後、西洋の旧植民地から
200近い新しい国民国家が誕生した。
ドラッカーは国民国家が衰退するとは言っても
逆の君主制に戻るとは言っていません。
国民国家の権力の強化が限度を超え、
国家が唯一の権力機関ではなくなったと言っています。
■国家の機能が民営化されNPO化され
分権化される一方で
超国家的なグローバルな機関として企業も現れた。
国家の機能は弱まるが一人ひとりの自由な創意によって
社会が変わると考えた。
人々は多元社会の一部としてしか国家を見ない。
現実の日本でも行政に依存する組織から
企業も非営利法人も独自の事業で社会福祉に
貢献する時代にないました。
もうすでに
国家に国民は従属していないのです。
3.事例研究:
ハーマンミラー社「リーダーシップ3つの人間の特徴」
'Leadership Is an Art'
(邦訳 響き合うリーダーシップ、海と月社)
■ハーマンミラーの元CEOである
マックスデプリ―はリーダーシップに欠かせない
人間の特質を3つ上げています。
第一が誠実さ(integrity)
第二が関係を創る手腕
第三がコミュニテイを創る手腕
です。
■第一の誠実さとは一個人ではなく
人と人の関係である社会のための原則だと
デプリ―は言います。
誠実さの欠如は文明社会における自制の役割を
理解していないことから生じる。
日本的な言い方であれば「謙譲」の役割を
理解していないことかもしれません。
売り手と買い手が交叉する
自由市場を維持する大原則である。
信用の根本が誠実さである。
■第二の人間関係を維持し育むことは
リーダーのスキルである。
人は誰でも組織を必要としている。
人それぞれ持っている
能力やスキルを発揮する機会が欲しい。
その場を与えるためには
人間関係を構築する能力を身につけなければならない。
このスキルは「心」の問題である。
上記の「誠実さ」が元になる。
■第三のコミュニテイを創る手腕とは
他人に奉仕して他人と知り合うことで
敬意や感謝を示し、
持ちつ持たれつの生活を支え合うことが出来る
能力である。
みんなコミュニテイがあることで
誰もが自己を最大限活かすことができる。
誠実さがあって
人間関係を構築する能力があって
コミュニテイを創る手腕が発揮できるのです。
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今岡善次郎
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多摩大学大学院客員教授
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