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第481号
★ドラッカーから学ぶ仕事の哲学★
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「自然の中に存在する潜在能力を発見する」
9月27日水曜日のメルマガ配信します。
今日もお読み頂きありがとうございます。
徐々に秋に空気に変わりつつありますね。
■23日土曜日は出身地が出雲で関東在住の
「東京いずもふるさと会」主催の
秋の甲州路バスツアーに参加しました。
ノーベル賞を受賞した北里研究所の大村智先生が
開設した韮崎大村美術館を見学しました。
女流美術作家の作品が中心ですが、
縄文土器や壺などの陶芸品の収集など大村先生の感性を
感じる場所でした。
■同郷の友人から得た情報を
加味して北里研究所の歴史を調べると
過去にも研究所からノーベル賞に匹敵する研究が明治大正時代にあった。
創立者の北里柴三郎はもちろん、
世界初の抗生物質を作った男として史実に基づく小説
「サルバルサン戦記 秦佐八郎 世界初の抗生物質を作った男」
(岩田健太郎、光文社)の主人公
明治6年、同郷の島根県生まれの秦佐八郎がいる。
同研究所からは野口英世など有名な研究者がいるが
秦佐八郎は無名であるは何故か?
明治という西洋科学を導入して間もない時期に
ドイツに行き8か月の実験で梅毒の病原菌だけを殺し
患者を救う薬物を見つけたという。
共同研究者はノーベル賞を受賞したが
秦佐八郎は受賞しなかった。
■大村先生の手記を読むと
西洋の学者は優れた頭脳で仮説理論を作りスクリーニング実験し
それにあうものを探しその他は捨てる。
大村先生は理論には柔軟性を持たせ巧くいかないものも実験し
データを蓄積し次のスクリーニングに役立てる。
謙虚に自然現象を観察して
精巧な理論に頼らないで現実を重視する姿勢を
感じます。
マネジメント論に当てはめるとトップダウン戦略より
ボトムアップの潜在能力に力点置く。
戦略より実践を重視する。
北里柴三郎の経営理念は大村智先生にも受け継がれ
「世の中に役立つ微生物が生産する薬を見つける」ことであり
自然の中に存在する潜在能力を発見することである。
さて、
本日のテーマ
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「頭の良い複雑な戦略は失敗する」
「イノベーションと企業家精神」(P.F.ドラッカー、ダイヤモンド社)」より
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■産業構造が変化するとき
練るに練った複雑な戦略は
失敗するとドラッカーは言う。
単純でなければならない。
複雑なものは巧くいかない。
時代が早すぎるということもある。
1960年代の
フォルクスワーゲンの失敗事例を上げる。
■自動車業界のグローバル化の引き金を引いたのはフォルクスワーゲンだった。
アメリカでのドイツと同じように人気があり、
ブラジルでもタンザニアでもソロモン諸島でも
世界の市場に浸透した。
しかしヨーロッパでは飽和しつつあった。
そこで世界戦略を練り上げた。
今では当たり前になっているが
世界各地の市場ニーズに答えるため
世界各地で部品を作り世界各地の市場で組み立てるというコスト削減を
重視した画期的な戦略だった。
ブラジルで部品を作りアメリカで組み立て工場を作る。
だがアメリカでの組み立てはドイツの労働組合が反対し、
部品がブラジル製になることで品質に懸念を抱いた
アメリカのデーラーは懐疑的だった。
フォルクスワーゲンは賢明な戦略を断念したばかりか
アメリカ市場を失った。
■ドラッカーはその失敗の原因を
戦略が賢く複雑なことを上げている。
しかし、僕なりに補足すれば賢明な戦略とはコスト優位だけでは
決まらない。
顧客はメーカーの戦略どおりに考えない。
たとえ顧客に廉価という価値があっても品質イメージや納期や
社会的責任など敏感に感じる。
数字や論理では表せない人間の認識は
「慣性の法則」が働く。
コンサルタントがどんな立派な戦略を作っても
成功する保証はない。
■論理的な戦略は重要な情報に焦点を当て
不確定な情報が外乱として捨てる統計的確率変数に置き換えて
現場現実の小さな現象を捨てる。。
ビジネスの現実は人間同士の信頼関係による。
品質やコストや納期は重要だけれど大差なければ
ブランドという品質や人間の保守的な「慣性」による「感性」
が決め手になる。
理論的にも実験的にも実証されても
現実に価値を見せなければ顧客は動かない。
イノベーションは技術や論理ではなく
人間の社会的課題解決であるとドラッカーは言う。
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今岡善次郎
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