◆━━━今岡善次郎のマネジメント・メルマガ━━━━━◆
第473号
★ドラッカーから学ぶ仕事の哲学★
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「現実から理論を導く帰納法と理論から現実を考える演繹法」
8月2日水曜日のメルマガ配信します。
盛夏はこれからしばらく本番ですが、
やがて秋となり冬が来る。
古希の歳になると季節が素早く過ぎていきます。
■暑い夏、閉じこもって論文書く合間に
人との会合も大事にしています。
7月27日は論文に書いた回転体振動制御技術の試作品製造について
優秀なものづくりの日本の小企業を訪問し相談しました。
28日はもう一つの研究テーマ「AIを活用する次世代SCM」の元になる
「需要に適応するオペレーションマネジメントのためのリーンシステム」
について講演する機会を外資系企業と相談しました。
30日日曜は若年性認知症家族会の定例会に久しぶりに参加し
修羅場をくぐった戦友達と交流しました。
31日は24〜25歳で初めて就職した会社、東洋エンジニアリングに
同期入社の4人で暑気払いで旧交を温めました。
■1回しかない人生で色んな出会いがあり
いろんな問題や出来事に遭遇し、それを人生のテーマとして
挑戦し取り組んでいると年齢を感じることが
ありません。
どんなことでもすべてマネジメントです。
個人の問題にしろ組織や社会の問題にしろ
技術にしろ経営にしろ
現実の課題をどうように処理するか。
理論や思想が先にあるわけではない。
妻のアルツハイマーも回転体振動も
医学や振動論を知っても現実の問題は解決できません。
自分の頭で考え、自分で調べ
自分の方法を見つける。
現実から方法考えるのを帰納法といい
理論から現実に応用するのを演繹法と言います。
どうやら専門家は演繹法に拘り
実務家は帰納法を重視する。
マネジメントは帰納法主体だが演繹法も捨てない。
さて、
本日のテーマ
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「機械の稼働率は低くてもよい!」
「トヨタ生産方式のIE的考察」(新郷重夫、日刊工業新聞社、1980年)」より
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■機械の稼働率を上げることは
コストを下げることになるのは常識です。
稼働率50%で100台作るより
稼働率100%で200台作れば
機械のコスト(減価償却費)は半分ですむ。
しかし現実は
機械のコストだけではないし、
人件費という時間に比例するコストの方が大きい。
又コストは下がっても売れ残りの在庫が積みあがると
全体のコストはさらに膨らみ
資金不足になる。
■そこで大野耐一氏は稼働率と可動率を区別した。
可動率(「べきどうりつ」ともいう)とは
必要な時に動かせる比率である。
いざというとき何時でも稼働できるが
いざいという時ではない(需要が無い)時は
稼働率が0でもいい。
消防車や自衛隊などは
それが理想である。
■1人で複数の機械を運転する多台持ち作業をすると
機械が作業を完了しても人が他に仕事で手が一杯なら
機械の稼働率は低下する。
一方で人の手が余っていても機械が作業中なら
人の稼働率が低下する。
機械も人もコストである。
一方のコストだけ下げても他方が上がれば
コスト削減にはならない。
又コストを下げても売れなければ
企業は成り立たない。
■経営システムは複雑系である。
作業システム、生産システム、経営システムの入れ子構造であり、
それぞれ稼働率、コスト、利益が評価指標となる。
それらは又部分最適か全体最適かの議論につながる。
複雑なシステムを部分に分け、
部分をすべて最適にすれば全体が最適になる
というデカルトの要素還元論が経営には役立たない。
マネジメントには俯瞰的視点が必要だというのが
ドラッカーの社会生態学思想です。
俯瞰的な社会生態学思想は帰納法に力点がある。
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imaoka@bizdyn.jp
今岡善次郎
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部分である人は人との関係でしか存在しない。仕事の場で人は組織
の関係でしか、存在しない。どんな専門も他の専門との連携でしか
仕事の成果を生まない。企業は社会との関係でしか存在しない。
科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
企業は社会の一部である。