◆━━━今岡善次郎のマネジメント・メルマガ━━━━━◆
第378号
★ドラッカーから学ぶ仕事の哲学★
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「生命観が日本的マネジメントの特徴」
おはようございます。
9月16日水曜日、鬼怒川の氾濫は文字通り鬼の怒りとなって
大きな被害と人命を失いました。
日本人は自然を生きものと考えます。
怒り狂う自然をどう折り合うか
地震や火山噴火、台風など古代からの日本人の生き方や
政治の在り方の大きなテーマだった。
■9月12日土曜日客員教授として修士論文を指導した
修士課程の修業式に参加しました。
30歳代から50歳代までの男女17人の卒業式
客員の教員としては初めて出席しました。
客員の教員として17人の内6人の論文指導教官になって
全員が合格し、
そのうち2人が優秀論文賞に輝き、
その中から修了生代表としてスピーチする
最優秀の卒業生が含まれていました。
指導教官としても嬉しい卒業式でした。
■皆さんそれぞれの多様な職業、多様な人生を送っています。
論文テーマは自分の仕事や生活を振り返り
将来展望を見据えた人生の転機になる研究に
仕上げたくれました。
ボデイケア事業のイノベーション、
日本の家電業界の生き残り戦略
看護師の仕事と生活のマネジメント、
女性の社会参加の場の設計、
IT技術者の早期定年制の克服
日本的労働組合の進化
それぞれの自分の切実なテーマでした。
■これらのテーマは自分がどう生きるか
組織をどうマネジメントするか
すべてはプロジェクトマネジメントに帰します。
どんなテーマでも僕の指導には型があります。
先ず思いがあり、現状観察があり、方向性が導かれ
計画があり、考察とフィードバックがある。
思いやロジックや知識は豊富でも
疎かになりやすいのは観察、あるいは現状認識や
因果関係の分析だと思いました。
■目標やビジョンが大事だと言われるが
多くのマネジメントのテーマはやってくる災厄を
どう切る抜けるかが人生のマネジメントでは
ないだろうかと思いました。
その対処の方法に日本的マネジメントの
特徴があると思っています。
さて、
本日のテーマ
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「ペットの葬式が突飛かどうか」
「日本人の価値観:生命本位の再発見」(立花均、ぺりかん社)より
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■立花先生は本書の冒頭でペットの葬式の逸話を持ってきます。
イタリア人のカトリック神父が宣教師として来日し
日本語を学びイタリア人と日本人も同じ人間だと
実感していた。
しかしある時日本人に対して根本的な違和感を
覚える体験をした。
ある老婦人が愛犬の死にミサをささげてくれと頼んだ。
■愛犬のために葬式をして欲しいという依頼に
言葉を失った。
ミサは人間のためにあり犬のためにという考えは
無学なイタリア人でも考えないが、
日本の信仰心の篤い老婦人が口にして
大きなショックだった。
立花先生はこれを読んでその宣教師のショックに
違和感を持って他のイタリア人にも確かめた。。
たぶん日本人は動物の葬式や墓を考えない人でも
そこまで違和感を感じないのではないか。
■そこで立花先生は
日本人と非日本人の価値観の1つの基準として
ペットの葬式が突飛とされる社会とそうではない社会の
価値観の違いに注目する。
厳密にいうと欧米の成人の社会の価値観であって
子供は西洋でもペットの墓をつくるという。
日本人は立派な大人になっても子供ように
人間と動物の間に境界を引かない。
西洋の大人は、いや西洋だけではなく、
非日本人は大人になるにしたがって人間は動物と違う
特質を育てることが社会で生きる価値観を育てている。
日本人は子供と同じ(穢れていない)価値観で
社会生活を営む。
■この他、日本人の脳構造、言語体系など
いろんな実証を通して導く仮説は
人間と動物の境界、生命と物質や自然との境界など
日本人は古代にアニミズムの価値観を
未だに持続しており、
人間と人間以外に生命との間に
境界を持たない。
いや人間も自然の一部であり、
大自然の中の1つの生命と考えている。
江戸時代初期天草で幕府による基督教弾圧事件を
治めた思想家鈴木正三は
キリスト教は神と人間を区別しているように
、人間と動物も区別する、
又基督教徒と異教徒を区別する思想だと
喝破しました。
日本は古代の生命観を現代にも
底流に持っている唯一の現代社会国家と言えるかもしれない。
生命観は会社など組織にも当てはまり
日本的マネジメントの特徴を形成していると思われる。
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今岡善次郎
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科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
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