◆━━━今岡善次郎のマネジメント・メルマガ━━━━━◆
第307回
★ドラッカーから学ぶ仕事の哲学★
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「認知症家族会とドラッカー」
お早うございます。
今日もルマガお読み頂きありがとうございます。
■連休中の4日の日曜日
若年認知症家族会「彩星の会」の男性介護者だけの
食事会をプロのシェフである介護者の家に集まりました。
みんな介護の最中の男性介護者も含め
プロの料理にお酒を嗜みながら笑いと家族会の運営に
ついて語り合いました。
家族会の賛助会員が減り、
会員も定例会に魅力を無くしつつある。
会費収入が減り「どうしたらいいか」という
マネジメントの問題に直面しています。
■僕は自分の専門を活用してもらおうと
1月から仕事合間でいろいろ思案し
会員の方々と話合い定例会でアンケートとり
一人ひとりから意見を聞いて考えをまとめました。
自分なりの「船中八策」(坂本龍馬の明治維新青写真」
を模して「暗中八策」を披露しました。
企業はどうあるべきかは
人生どう生きるか、家族はどうあるか、
そして家族会はどうあるべきか
全てに共通する原理がドラッカーです。
。
■男性介護者中心に組織で仕事をした人や
いつも気があう会員は僕の行動と考え方に共鳴してくれますが
現執行部は理解してくれません。
家族会でもイノベーションが必要です。
組織には必ずここを直すと全部治るという
ボトルネック、又はレバレッジポイントがある。
改革の主旨は「誰のために家族会か?」、
「自分達に強みは何か?」「使命は何か?」
「それぞれの会員にとっての義務と使命は何か?」
ドラッカーが大切にしている問いから始めました。
組織のためであって、現執行部のためではないので
「ヤンチャ者」扱いにされる。
幹部の間では「独り浮いて異者扱い」(笑)
だそうです。
それも無理ないと考えなおしました。
ここで諦めてはドラッカー研究者として
失格である。
しばらく引いて
定例会でひとりひとりの介護者の苦悩に向き合い
いずれ
出直そうと考えています。
家族会関係の読者はメルマガ本号は
役に立ちますから是非最後までお読み下さい。
さて、明日から第3回始まります。
■■カフェ「ドラッカーマネジメント塾」2014年春第7期
第3回「マーケティングとイノベーション」
ご案内します。
5月8日木19:00平日コース
5月10日土15:00週末コース
前半は
■ゲスト講演
テーマ「大企業の開発現場におけるマネジメント」
講師は馬場 圭三 (ばば けいぞう)様にお願いします。
馬場様は株式会社リコーの画像システム開発本部に緒属する
グループリーダーです。
開発現場で起きていることや苦労していることを紹介し、
ドラッカー論と対比させながらお話して頂きます。
馬場様は本塾の塾生としてコース終了し、
その後何度か参加されています。
後半は
■私 今岡善次郎による
「ドラッカーのマーケティングとイノベーション」
のお話をします。
誰のための仕事か「顧客は誰か」を問う
マーケティングと
世のため人のため「顧客のため」の改革を問う
イノベーションが
ドラッカーのマネジメントの基盤です。
馬場様の現実の事例を受けて
ドラッカーのメッセージと関連付けて対話したいと
思います。
ドラッカーのマネジメントを
産業革命や米国で発展した科学的管理法との対比、
又TOC(制約理論)との対比なども交流会のテーマにしたい
と思います。
スポット参加大歓迎です。
講義のみ4000円、カフェ参加込み5000円
2周目以降の方は
講義のみ2000円、カフェ参加込み3000円
申し込み方法等
詳しくは以下をご覧ください。
↓
ホームページ
http://k.d.combzmail.jp/t/ce7j/d0ej91u08noemwjiyw3cZ
ダウンロードチラシ
↓
http://k.d.combzmail.jp/t/ce7j/d0eja1u08noemwjiyw6gK
お待ちしています。
さて、
本日のテーマ
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1.一歩外にでないと分からない(森信三全集)
2.イノベーションは専門外から起こる
(ドラッカー「ポスト資本主義」)
3.事例研究:
ハーマンミラー社「歴史の語り部」
'Leadership Is an Art'
(邦訳 響き合うリーダーシップ、海と月社)
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1.一歩外にでないと分からない(森信三全集)
■20世紀の初め、
ドイツの一高校教師だったシュペングラ―が
「西洋の没落」と言う歴史的名著を書きました。
きっかけは
トルコ大使館付き研究員となり
西洋文明圏より一歩外に出た事でした。
卓越した分析や思想はドイツ国内の
アカデミズの枠組みの中では生まれない。
■シュペングラ―の研究はトインビーに影響を与え
当時の西洋文明の中で常識となっていた
西洋の文明は世界文明の中で唯一の
発展進化する文明ではないと結論付けました。
森信三は
世界でも長期政権であった徳川幕府でも
300年も持たなかったと言いました。
西洋列強という外の世界に触れて
徳川政権は崩壊した。
人のいのちと同じように
文明も文化も政治体制と同じく
盛衰興亡があり生があり死がある。
■人間は1つのシステム、又は組織の中にいると
その中に埋没して、自分を含むシステム全体が
分からなくなる。
外に出て
過去から現在までの流れを俯瞰して初めて
自分が分かり、自分が属しているシステム、
社会が分かる。
シュペングラ―もトインビーも西洋社会の外に出て
初めて西洋文明が理解できた。
日本人も海外に出て初めて日本を知る人が多い。
僕もビジネス人生で海外に出る機会が多かったので
その理由が分かります。
■森信三によると
人間は人間中心の社会からも離れて
自然生態系の中で人間を見ないと人間とは何か
分からないと言います。
近代文明は特に
人間中心の世界観しかもてない。
近代文明は科学的知識を人間のために利用したが
近代文明の限界は核兵器という
人類を何回も滅亡させるほどの兵器を生んだ。
利益中心の資本主義社会の競争で
うつ病になる人間が増え、
生命力の源泉である免疫システムが不調になり
成人病が増加の一方でる。
環境破壊で地球が病み、
人間の生活に悪影響を与えている。
一歩外に出て見ないと現実の問題が解決しない。
豊田佐吉は「障子を開けて外を見ろ。外は広いぞ」
と言って現在モノづり世界一の
会社の基礎を作りました。
2.イノベーションは専門外から起こる
■ドラッカーと同じくオーストリア生まれの
シュンペーターはイノベーション(変革)は
「創造的破壊」であると言いました。
そしてイノベーションは
異質な知識の組み合わせで起こると。
ネット社会では
組織が社会に貢献している製品やサービス、
その価値を創造する知識や方法が急速に陳腐化する。
■ドラッカーは、
習慣化したもの、馴染みのもの、満足すべきものを
体系的に放棄して行かなければ変革はできない
と言いました。
そして最大の変化は
変革すべき分野からではなく、新しい知識がもたらされる
別の異なる分野から起こると。
馬車業界から鉄道は生まれていない。
鉄道から自動車は生まれていない。
IPSやSTAP細胞による医薬品開発のイノベーションは
薬学界からではなく、生命科学から行われつつある。
■今、IPSの中山教授もSTAPの久保方研究者も
研究論文の書き方で糾弾されている。
そもそも生命を扱う研究は従来の科学的方法と
違うのではないかと思います。
マネジメントのイノベーションも
ドラッカーの方法論は社会生態系といういのちの
観察から導かれている。
従来の科学的管理法とは違う。
「科学的」を錦の御旗にする
ビジネススクールではドラッカーを読まないと言う。
いのちの研究である米国サンタフェ研究所の
複雑系研究は従来の科学的研究の方法論とは
一線を画しています。
■いのちに関する知識が急速に進化する中で
ポスト資本主義社会は旧来の方法論が
通用しない。
ビジネスも研究も、教育も
ビジネススクールや、
アカデミックな学会や大学からではなく、
全く違う分野の知見や経験が役立つかもしれません。
イノベーションは専門外から来る。
3.事例研究:
ハーマンミラー社「歴史の語り部」
'Leadership Is an Art'
(邦訳 響き合うリーダーシップ、海と月社)
■ハーマンミラー社で社員が理念を共有し、
自律的参加型のマネジメントに成功している秘訣は何か。
どの会社でも理念を作文することは簡単であるが
その文化を作ることは簡単ではない。
その秘訣は
創業当時からの心と心の繋がりを伝える
語り部がいることのようです。
■その理由を1960年代後半のナイジェリアの村での
出来事をメタファー(比喩)で説明しています。
ある村で電気が引かれて
それまで毎晩村人が焚火に集まっていたが
家に閉じこもるようになった。
その集会は古老たちが部族の歴史を語り継ぐ
場所だった。
■村の歴史を共有しなくなった部族は
自分達の歴史を失い求心力を無くして衰えて行った。
現代社会では家族も企業もあらゆる組織で
語り部がいなくなった。
人々を束ねる価値観を失いつつある。
創業当時からの連綿と続いた習慣を失えば
自分達は何者かを忘れてしまう。
■語り部を失うことは現代技術だけではなく
人々の心を忘れて組織を私的目的に使うリーダーの
存在もあります。
自分達の先祖、先人の伝統を否定する自称
革新主義者も又語り部を殺してしまう。
活力ある組織や社会には
語り部が必要であることが分かる事例です。
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多摩大学大学院客員教授
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の関係でしか、存在しない。どんな専門も他の専門との連携でしか
仕事の成果を生まない。企業は社会との関係でしか存在しない。
科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
企業は社会の一部である。