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第293回
★ドラッカーから学ぶ仕事の哲学★
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「大雪の東京」
お早うございます。
今日もルマガお読み頂きありがとうございます。
2月12日の朝を迎え今日一日が充実した日でありますうに。
●2月8日土曜日都心に大雪が降りました。
予定していた家族会の世話人会が大雪警報で中止になり、
一日中部屋に閉じこもってPCで資料を作っていました。
外を見ると街灯に照らされた雪の青梅街道が
きれいに映っていました。
自宅マンションの部屋から眺める雪景色の青梅街道を
facebookで公開しました。
http://k.d.combzmail.jp/t/ce7j/d0mdt0t06nl548sap9EqX
●9日は雪の中投票所に行きましたが
東京都知事選挙の投票率が低く
盛り上がりに欠けましたね。
争点が脱原発か否か、福祉重視か経済重視か、
オリンピック派手にやるか慎ましくやるか、
防災都市に力をどの程度入れるか。
僕は政策論争よりも
どんな人物が相応しいかという点から
投票ししました。
ドラッカーマネジメントは
戦略より精神が大事だからです。
何をやるかより誰のためにどんな使命を持つか。
言葉や巧みに政策を語るけれど
どうも胡散臭い候補に対して違和感があります。
さて、
本日のテーマ
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1.調和という「いのち」の原理
2.資本主義と技術革新と職人
3.事例研究:
ハーマンミラー社「心の関係」
'Leadership Is an Art'
(邦訳 響き合うリーダーシップ、海と月社)
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1.調和という「いのち」の原理
■人と人からなる組織や社会も
人と自然からなる生態系(エコシステム)も
動物や植物である有機(オーガニク)システムも
すべて西洋思想の日本語訳である。
最近は「複雑系」も同じく米国サンタフェ研究所発の
概念もまた同じであろう。
■森信三によると
日本人にとって西洋のロゴス(論理)概念は
難解である。
哲学的思想を日本人にとって
使いやすい生きるツールにするために
心情的な日本人にふさわしい大和ことば「いのち」を
用いるのが適当だと。
■「いのちのシステム」を構成している
それぞれ相互関係のある部分も又
「いのち」である。
いのちである組織や人も又いのちである。
人の身体を構成している器官もいのちである。
器官を構成している細胞も又いのちである。
いのちを統合する原理は何か?
西洋的主体と客体を分離する概念では
統合とは
「支配するものとされるものとの統合」であり、
「制御するものとされるものとの統合」
「包むものと包まれるものとの統合」である。
■それでは日本人の古来の統合(インテグレーション)の
概念は何かと森信三は問い答えた。
日本人にとって「いのちの統合」の概念は
「調和」などだと言う。
ピーターセンゲは有機システムを統合する概念は
「フィードバック」だと考える。
フィードバックは森信三がいのちの原理は
「呼応関係」「照応関係」と同じです。
ジャストインタイムからTOC(制約理論)を発案した
ゴールドラット博士は
晩年システムの統合原理は「和(わ)」だと言った。
相互批判ではなく相互対話という「調和」が
組織の体質改善に重要なのですね。
2.資本主義と技術革新と職人
■資本主義と技術革新が18世紀から20世紀にかけて
新しい世界文明を創りました。
その原動力は「知識(ナレッジ)」だったと
ドラッカーは分析しています。
知識がカネを生む社会になったがこれは知識社会ではなく
知識経済とも言える資本主義社会である。
■ジェームスワットの蒸気機関が
鉱山用揚水ポンプとして発明され、引き続いて、
製鉄業の溶鉱炉の送風機に応用され
繊維産業の動力源になり、
蒸気船の使われ、
鉄道に使われ、
あらゆる製造業の動力源となった。
製造・物流・人の移動などサプライチェーンが拡大して
経済社会を変えた。
■技術が社会を変えるのは古代にも中世にもあった。
西洋では
「鐙(あぶみ)」が馬上の騎士を生み
戦士を支える職人集団と農民を生み、
封建社会が創られたという。
技術が知識を必要としない古代では
職人は奴隷だった。
知識(技術)によって職人は市民になった。
西欧では知識が普及して市民社会が出来たが
第3世界においては
新技術は社会的影響をもたらさなかった。
職人は最下層のままだった。
■ドラッカーの分析によると
唯一の例外は日本だった。
職人階層は誇り高い独立した存在だった。
武士も職人と同じ技術集団だった。
宮本武蔵の「五輪の書」に大工仕事に喩えた
武術論があります。
技術集団は西洋社会や第3世界のような
底辺社会ではなかった。
ドラッカーはマネジメントは職人や外科医のような
実務だと言いましたが、
カネを生む技術や知識ではなく
社会的使命を達成する実務だと言いました。
ポスト資本主義社会を生むヒントは
昔の日本社会にあるかもしれない。
3.事例研究:
ハーマンミラー社「心の関係」
'Leadership Is an Art'
(邦訳 響き合うリーダーシップ、海と月社)
■ハーマンミラー社のリーダーシップで重視するのは、
土地とかキャッシュなどの「資産」ではなく、
自由に才能を活かせる「場」であると言う。
互いに成長し自分らしく振舞い、
多様性を活かせる場を与えあう場が
もっとも大事な資産である。
■反対意見を聞き合うことのできる「心の関係」
が資産である。
大事なことは「何をするか」ではなく
「どうなりたいか」である。
「どんな場が欲しいか」と先ず考える。
人々が団結しお互いのニーズを満たし
全体が調和する場である。
■「ビジョナリ―カンパニー」で有名なジムコリンズによると
「どこに行くか」より「誰をバスに乗せるか」
を重視している企業が長寿企業の特徴だという。
ビジョンや価値観を同じくする場の方が
優れた戦略を持つ企業より優れている。
ハーマンミラーではアイデア、開放性、敬意、喜び、癒し、
仲間意識などを醸成する場づく理に熱心だという。
■リーダーの責任は
マネジメントに必要な専門知識やスキルなどの仕事上の
ビジネスリテラシーを向上することは
一面でしかない。
「心の関係」が大事なのだと言う。
そしてそれは「品格と美」から来るのだと。
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今岡善次郎
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科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
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