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「人生で大事なことは問いを発すること」


11月29日水曜日のメルマガ配信します。

今日もお読み頂きありがとうございます。

■26日日曜日、若年認知症家族会で講演と
シンポジウムが首都大学東京で開催され参加しました。

「在宅介護の質を上げる」というテーマで
認知症による心身の異常についての医療の面から専門医の講演と
会員である介護者の体験談と質疑のシンポジウムで
活発に交流がなされました。

シンポジウムのコーデネータ役を引き受け
5人の介護者の話しを聞きながら
10年前まで在宅介護していた時代を思い浮かべました。

3人の男性介護者、2人の女性介護者、
若年認知症の介護とは親ではなく連れ合いの介護となります。


■60歳そこそこの男性で奥様を在宅でヘルパーさんや
娘さんの支援を受けながら和食レストランのシェフをして
介護と仕事を見事に両立させている
僕が親しくして頂いてるFさんの話は感動的でした。


どんなに仕事が忙しくても
帰宅して妻の食事介助している時が一番幸せだという。

介護と仕事の両立で人生を楽しむ人は多くない。

そこには被介護者だけではない、介護者自身の健康管理と
夫婦家族の関係性の中で時間の使い方など創意工夫が欠かせない。

家族として災厄をどうマネジメントするかは
医療や介護の専門職の知識をはるかに超えるノウハウがあり、
どんな専門書にも書いていない。


■介護と言えば高齢者人口の増加にともなって
発生するという統計的議論で社会問題が語られるが
若年認知症は人口統計で論じる課題ではない。

またFさんのように仕事への動機付けにもなっている
人も少なからず存在する。


困難な事態に陥った時は専門による一般的な現象としての
医療や介護の処方のみではなく
個別に自ら問いを発しなければならない。

このままでは自分の人生も共に終わるが
妻の生活の質を上げながら自分の人生の質をどうしたら
あげることができるのか?

妻の病気を梃にして自分の生命力を上げる機会にするには
どんな心構えが必要か?

Fさんと介護スタイルは違うが
僕も同じ問いを自らに発していました。

介護者としての人生で終わりたくなかった。

やり残していることがあると強く意識しました。

それが古希を過ぎてのマネジメント研究です。



さて、
本日のテーマ
====================
「人口の重心の移動で時代の空気が変化する」
「イノベーションと企業家精神」(P.F.ドラッカー、ダイヤモンド社)」より
==================

■少子高齢化社会とは
人口の重心が高齢に移動する現象であり、
人口の重心が移動すると時代の空気が一変する
とドラッカーは言う。

年齢だけではなく、男女性や教育やライフスタイルで
分類するグループの比率がどう変化するかによって
機会と脅威が変化する。


歴史を振り返ると
高学歴の若い女性の層が増えてそれを貴重な労働力として
積極的に採用してイノベーションを起こしたのは
シテイバンクだけであった。

シテイバンクがアメリカで初めての全国銀行となったのは
意欲ある若い女性の業績が大きかった。


■人口構成の変化を統計的に分析するのは
出発点にしか過ぎない。

ぼんやりした思い込みの仮説でかないが
それは出発点である。

大事なことは問いを発することであると
ドラッカーは言う。


自分で現場に行き、見て、聞いて、
仮説を確かめ、軌道修正する。

■メルビルは統計から出発して10代の人口の爆発的増加
はファッション製品に
いかなる機会をもたらすか自問した。

シアーズは統計から出発してラテンアメリカの人口増加は
小売業にいかなる機会をもたらすか自問した。

地中海クラブは労働者階級の子弟が高い教育を受けて
豊かになったとき大量の若い大人の出現という
人口構造の変化は旅行業界にいかなる機会を
もたらすか自問した。


■日本だけではない、高齢者人口の増加は
自分の関わる業界や、自分が得意とする仕事で
どんな機会があるかと
自問いすることがまず重要である。

そして自分で見て、体験し、その世代の人に
聞くことが重要である。

読むだけでは十分ではない。

人口の重心の移動で変わる時代の空気を
肌で感じることが重要である。


●ご質問ご意見は気軽に
返信で意見よろしくお願いします。

imaoka@bizdyn.jp

今岡善次郎


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