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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第489号
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「ドラッカーに通じる武士道の元祖山鹿素行の日本の手法」


11月22日水曜日のメルマガ配信します。

今日もお読み頂きありがとうございます。

■１９日から２０日にかけて
関東在住の高校同窓生６人で長野の善光寺をお参りし
上林温泉ホテル仙壽閣に泊まりました。

翌２０日は信州小布施にある葛飾北斎館と
数々の武功を重ねながらも
不運な最後をこの地で過ごした武将福島正則公の墓所と
北斎の傑作「八方睨み鳳凰図」
がある岩松院を見学しました。

地方都市に残る歴史文化財を見学すると
当時の日本人の躍動する生命力に圧倒されます。

この地の高井鴻山という豪商がパトロンとなって
北斎の作品が沢山生まれたという。

■日本人だけではなく欧米を含み
外国人が多いのに驚きました。

北斎の画風は西洋フランスに伝わり
ゴッホなど印象派画家に影響を与え
現在でも世界の芸術家に影響を与えています。


■北斎館で感じたのは写真のない時代に
自然のあらゆる物を詳細に観察して「いのち」の躍動を
写し取っていることでした。

草や木、鳥や虫などだけではなく
人物描写も僧侶や農民や町民など生き生きと描写し
今で言うイラストレーターのセンスが抜群だった。

多くの画家から技術を学びながら
最後は自分の芸術を創造する。


現場現実現物を重視するものづくり日本の感性は
芸術にもあることを忘れてはいけないと
思いました。



さて、
本日のテーマ
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
「山鹿素行の日本人の方法論」
「日本人の価値観」立花均、ぺりかん社）より
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■日本はグローバル化が遅れているのは島国であるとか
江戸時代の鎖国の影響だとか、いろいろ自虐史観で語られる。

最近では経済の長期停滞の原因は
日本的経営が原因であるとか
欧米はおろか中国や韓国やインド、
シンガポールに比較して日本はさらに
長期停滞を続けざるを続けるだろうと
悲観的に語られる。

しかしながら欧米や中国や韓国をモデルにして
日本を立て直すことが果たしてできるだろうか？


■僕も人生キャリアの中で欧米人や韓国人や中国人と仕事して
日本人とそれ以外の国の人との違いを感じたように
立花均先生は
教育者として留学生相手に「日本」を教えたり
欧米の研究者と議論を進める際の価値観に違いを見たそうである。


僕はサプライチェーンマネジメントをTOC(制約理論）という
ゴールドラット博士の著作からスタートした。

TOCはトヨタ式経営をベースにしているが
両者の違いに注目してトヨタを調べた。

豊田佐吉翁の原点に二宮尊徳がおり、
リーンオペレーションなどグローバルに知られていながら
どこか違うという違和感を感じていた。

いろいろ興味を持って日本人の思想を探っていたら
山鹿素行や石田梅岩、鈴木正三にも関心を持った。

山鹿素行とは江戸時代に官学であった朱子学に対して
違和感を持ち、
日本人の方法論とは違うと唱えた軍学者である。

当時の政治を担った武士も含め士農工商にも
日本人の方法論の元の価値観に武士道がある。

■立花先生の解説によると
朱子学にしろ欧米人の価値観にしろ人があるべき道徳性について
絶対的なものが必要だとする。

山鹿素行も立花先生も、絶対的なものは無くても
現実に立脚することで第一だとする。

ものづくりに強い日本的経営においても
理論より現場現実を優先する。

ビジネススクールよりも
現場からのたたき上げを重視してきた。

朱子学もビジネススクールの戦略論も上から目線での
公式の応用である。


■マネジメントサイエンスにおいても
人間社会における人間の行動は不確定であり
不確定性においては確率統計論で平均と分散で切り捨てる。

日本人は現場現実の中で
不確定な要素を排除して「何故を5回」繰り返して
根本原因を追究しようとする。

例えば安全在庫を需要変動を確率論で捉えると
在庫削減と欠品率は同時に改善できない。
トレードオフ（相互矛盾）の関係にある。

トヨタ式生産を研究すると
このトレードオフを解決する手法が
カンバン方式であり平準生産である。

山鹿素行までたどれる。

マネジメントは企業だけではなく、
人の生き方であり政治の在り方であると
喝破したのは
マネジメントの神様であるドラッカーその人で
ありました。

ドラッカーは日本を徹底的に調べて
武士道こそマネジメントだと言ったそうである。


●ご質問ご意見は気軽に
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imaoka@bizdyn.jp

今岡善次郎


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