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「修羅場による生命力の鍛錬」


おはようございます。

10月28日水曜日,。


■先週19日の月曜日横浜にて
いろいろな施設や在宅で介護職を務めている専門職向けの
介護塾主催しているNPO法人の依頼で
僕の介護体験を話しました。

一般社会では病気とか、死とかの体験が人の心を打つので
講演の中にこのテーマを持ち出す人が多いですね。

中にはその経験を「商品」にして
どこでも「死」の話をする識者に僕は違和感を持っているので
極力説教めいた話を避けました。

■15年以上前の妻のアルツハイマー発覚から
在宅介護、入院、現在の心境まで僕自身の弱み
苦しみなどを通して学んだこと、
医療や介護の専門家から受けた優しさも
心無い発言なども修羅場体験をありのままお話しさせて
頂きました。

皆熱心に聞いてくれ最後に質問や感想を
述べてくれました。

多くは共感と学びを得たという好意的な意見でした。

ある男性の介護福祉士からこんなコメントありました。

■今日の話に衝撃を受けた。
心が動揺してしまった。なんといっていいかわからない。
今まで聞いたことの無い話だった。

ただ今岡さんの生命力を感じて心が震えていると
言いました。

僕にとっては介護体験の中で
自分の人生はこれで終わると感じて
その時の心境を思い出し感傷的に話したかもしれない。

生命力とは知力や体力ではない。

生命といういのちが今日のテーマです。

さて、
本日のテーマ
====================
「生命重視と理性重視の違い」
「日本人の価値観:生命本位の再発見」(立花均、ぺりかん社)より
==================


■人間と動物と物を2分類すると
日本人は「人間と動物」「物」に分ける。

欧米人は「人間」「動物と物」に分ける。

その分類基準は生命があるかどうかと
理性があるかどうかという違い
だという。

日本人は生命活動するもの、いのちあるものを
尊ぶが、欧米人は理性あるものを尊ぶ。


■日本人は一部障害を持っていても
意識を失っていても、自ら動くものを尊重する。

どうぶつも自ら動く、自律しているいのちであると
考える。

日本では認知症患者が自らの意思で食事ができなくなっても
介助や点滴などで延命するが
欧米では自ら食事ができなくなったら寿命と見なすのが
一般的であるという。

もちろん例外はあるし一般化することではないが。


■人間のことをラテン語でアニマル・ラツィオナーレという
そうだ。

その意味は「理性を持った動物」という。

日本人に比べて欧米人は真理や原則、法則、理想、
概念など抽象的思考を重視して、
そこに価値基準を置く。

西洋から始まった近代社会は理性による改革だった。

産業革新とともに戦争と革命の20世紀は
現在限界に近付きつつある。

■独自の編集工学という方法で「日本」を見直している
松岡正剛氏によると
20世紀は概念、主義(イデオロギー)が発達したが
問題は解決しなかった。

生命本位の日本の手法が21世紀にも求めらるという。

これをマネジメントのテーマで言えば
人と人の繋がりを重視するオーガニズム(有機体、生命)重視の日本と
個人の理性を機械的に組みあわせるメカニズム(機構)の欧米との
マネジメントスタイルの違いと見る
ことができます。

もっとの日本的経営がMBAの主科目となっていないが。

人よりシステムが上位にあって
人を資源とするHR(ヒューマンリソース)という
欧米の人事管理に
「MBAは会社を滅ぼす」で有名な
ヘンリーミンツバーグが批判しています。

生命とは何かを考え生命力を鍛えるには
やはり「千日の修練、万日の鍛錬」(宮本武蔵、五輪の書)
すなわち修羅場体験かもしれない。



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imaoka@bizdyn.jp

今岡善次郎


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