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ES組織づくりの 有限会社人事・労務メールマガジン
【社長のための経営・人事わいがやクラブ】
2025/11/28 第385号
https://www.jinji-roumu.com/
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こんにちは、有限会社人事・労務です。
いつも「わいがやクラブ」をお読みいただきありがとうございます。
毎年、この時期に地元の中学校から職場体験の受け入れをしているのですが、今年も元気な中学生が3人、来てくれました。
今回体験してもらったのは、台東区の施設での野菜販売イベントについて、弊社併設の田心カフェを通じて、「どのように販売するかを企画する販売コンサルタントの仕事を体験してもらう」というもの。
販売する施設の見学から始まり、副施設長さんへインタビューする中で想いに触れ、田心カフェでは実際に開店準備を手伝い、オープン後は店頭に立ち、野菜の販売を経験。
「見る・聞く・実際にやってみる」
複数の視点を通して、気づきがどのような変化につながるのかを体感してもらいました。
また、クラスで前に立って発表することには慣れているようですが、おとなを相手にプレゼンする、という初めての機会に、手を震わせながら一生懸命、企画をまとめてくれました。
帰りがけに「こんな体験しているの、うちらだけじゃない?すごくない?」ってつぶやきから、彼らが義務教育の授業を"当然"と思わず、「今受けていることの価値」に気づいていることが分かり、驚かされました。
そして何より、その学びをしっかり受け取ってくれたことが嬉しく、私達にとっても貴重な時間となりました。
■□━ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
〔1〕旅と旅行の違いからみる、自己組織化する組織と「余白」の力
〔2〕今回のピックアップ記事
〔3〕有限会社人事・労務のオススメ情報
〔4〕学びの動画配信サービス
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〔1〕旅と旅行の違いからみる、自己組織化する組織と「余白」の力
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こんにちは、矢萩です。
毎年歩く日光街道徒歩行軍。
日本橋から日光東照宮までの 143km。
「日本の未来のはたらく」をテーマに17年歩き続けてきました。
今年の歩みの中で、
私に深く響いたのは 旅と旅行の違いでした。
■ 旅行は「決められた秩序」
旅行には行程があり、
予定があり、
正解があります。
プリゴジンが言うなら、
それは “閉じられた系”。
外部との交換がなく、ゆらぎを排除して安定を保つ世界。
自分の好奇心も、情熱も、存在感も消えていく。
かつての私は、
「予定通りに運営することこそ善」
と疑いませんでした。
■ しかし旅は「生まれ続ける秩序」
旅は、予定どおりに進まない。
むしろ、予定どおりに進まないことこそ本質です。
沢蟹に心を奪われて立ち止まり、
夕日の紅葉に息を呑み、
地域のおばちゃんの話に引き寄せられて道草を食う
それは「いのちがよろこぶ瞬間」
プリゴジンなら、
それを 「ゆらぎ」 と呼びます。
そして、こう指摘するでしょう。
ゆらぎが増幅すると、新しい秩序が立ち上がる。
それが自己組織化だ。
寄り道こそが、人が物語を取り戻す時間だ。
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◆◆ 有限会社人事・労務のnoteを開設しました ◆◆
2023年10月に刊行した『コミュニティ経営のすすめ −間(あいだ)のある組織の作りかた』を起点に、私たちの仕事には多くの出会いと新たなプロジェクトが生まれました。
noteでは、組織の“あいだ”や“あそび”から立ち上がる「協働と創造のプロセス」を、人事・労務の視点から綴っています。
組織づくり・関係性づくりに関心のある方は、ぜひフォローください。
https://note.com/j_r_community
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■ 旅には「余白」がある
旅行には余白がありません。
旅には余白しかありません。
“余白”とは、
予定が空いた時間ではなく、
「予測できない出来事を受け止める力」 のことです。
余白があるから、
人は深い自己とつながり、
組織は呼吸を続け、
関係性は育ち、
新しい秩序が生まれる。
プリゴジン式に言うなら、
余白とは、非平衡の場である。
非平衡の場にのみ、自己組織化は起きる。
余白とは、新しい何かが生成する “あいだ” である。
余白とは、人が人間性を取り戻し、生命力が漲る場所である。
■ 旅のように歩くことを許した11年目
そこで11年目から私たちは、
「終わりの時間だけ守れば、道を外れてもいい」というコースを設けました。
すると
会話が深まり、
学びが自然に生まれ、
参加者の存在が鮮やかに現れ始めた。
制度でも旅でも、
余白が人をひらき、場をひらく。
これが、自己組織化の土壌です。
■ 田心カフェは、余白が “創発” を生んだ証
足利のワイン、宇都宮の紅茶、日本橋のコーヒー、日光のパン。
どれも “計画” ではなく、“余白で生まれた出会い”。
ビジネスを狙ったわけではない。
効率を求めたわけでもない。
ただ、
いのちが喜んだ寄り道
を続けた結果、自然に形になった。
これはまさに、プリゴジンの言う
「秩序は混沌と余白のあいだから生まれる」
という実例です。
■ 人事制度も、組織づくりも「旅」でなければならない
予定どおりに進む制度は、人をシステムで縛り、組織を硬直させる。
しかし、
余白があり、
寄り道が許され、
対話があり、
偶然の出会いがゆらぎを生む制度は、
組織を生命体に変える。
プリゴジン的には、
組織は開かれた系として運営されるべきだ。
逆に 制度からいのちが立ち上る器である。
制度は、人の物語を消さず、現れやすくする場所である。
■ 組織は「旅行」ではなく、「旅」として生きるもの
予定をこなす組織から、
予定外を受け入れて創発する組織へ。
旅のように歩む組織にこそ、
余白があり、
ゆらぎがあり、
つながりがあり、
自己組織化する生命が宿る。
これこそが、
旅と旅行の違いから見える
“未来のコミュニティ経営”のあり方です。
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<今回のピックアップ記事>
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・「ムダ」の中に宿る豊かさから、五方よしの経営へ――公共善エコノミーという新しい羅針盤
https://note.com/j_r_community/n/n30ded2397ea6
・「身体と創造性」について考える
https://note.com/j_r_community/n/n62633f6386ec
・ソースと成人発達理論の関係について。なぜティール型組織を導入しようとしてもうまくいかないのか? インテグラル理論 鈴木規夫氏×ピーターカーニックのお茶会を振り返って
https://note.com/j_r_community/n/n745b7a68fa81
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□ローカルと暮らしをつなぐ、これからのコミュニティのあり方
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□変わりゆく町に残す、地域に息づく一人ひとりの物語
https://esr-j.com/kokohore-studio-202410/
□身体性を伴ったコミュニティをいまどう捉え直すか
https://esr-j.com/kokohore-studio-202404/
<TERAKOYAオンライン一覧>
https://esr-j.com/category/terakoya/
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