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第82号 日本版CCRCについて考える

  発行日:2015年07月03日

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 Weekly Focus 第82号 日本版CCRCについて考える

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フォーカスマーケティングの蛭川速です。

梅雨本番です。毎日鬱陶しい日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?

何もしなくてもイライラ、ストレスが溜まってしまいます。

いろいろな解消法がありますが、

私は入浴時間を長めにとって心と体のケアをしています。

先日近隣の温浴施設に行ったところ、平日の21時過ぎにも関わらず

多くのお客さんがいるのに驚きました。

同じように感じて、利用しているヒトがいるのですね。




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    日本版CCRCについて考える

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日経新聞に6月30日に閣議決定した地方創生基本方針についての

報道がありました。

http://k.d.combzmail.jp/t/8f9a/e0ufh7u0xohli18vs4xsM


記事によりますと

(以下引用部分)

政府が30日に閣議決定した「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」

の柱に、高齢者が地方に移住する「日本版CCRC構想」の推進が

盛り込まれた。

首都圏でも人口減に苦しむ地域を中心に同構想に名乗りを挙げている。

住み慣れた地域から比較的近い場所に移住したい人の受け皿となり、

地域活性化につなげる狙いだ。

(中略)

同構想は東京に集中する高齢者の地方移住を想定しているが、

住み慣れた東京に住み続けたい人も多い。

東京都は住民が都内に住み続けることができる「東京版CCRC」

の整備を目指している。

(以上引用部分)


埼玉県秩父市や千葉県鴨川市、神奈川県茅ケ崎市などが名乗りを

上げているとのことです。


日本版CCRCとは健康な時から介護時まで移転することなく安心

して暮らし続けることが出来る米国のシニアコミュニティCCRC

をイメージしたものです。CCRC
(Continuing Care Retirement Community)

は全米で約2千ヵ所、約60万人の居住者、約3兆円の市場規模

を有します。



日本版CCRC検討の前提となる課題認識として、内閣官房

「東京在住者の今後の移住に関する意向調査」(2014年8月)

が挙げられています。



同調査によると、東京在住の50代男性の半数以上、

50代女性及び60代の約3割が地方への移住の意向を示している、

としています。

そして現状では、アクティブシニアが退職後に地方に移住し、

健康時から終末期まで、継続ケアを受けながら、安心して老後を

過ごせる体制が十分ではない。


シニア世代に一定の需要があり、受け皿としての施設の供給が十分ではない

という論理展開です。


確かに介護状態になってからサービスを受けられる住処を探しても、

コミュニティを形成することは困難だと思います。

その意味でお金に余裕がある層にとっては素晴らしい施設と思います。


内閣府HPに米国ニューハンプシャー州にあるCCRCに居住する

アクティブシニアのある1日が掲載されています。


7:00 起床
7:30 夫婦で散歩
8:00 朝食
9:00 ガーデニングのサークル活動
11:00 フィットネスクラブで運動
12:00 昼食
13:00 夫婦でゴルフ
16:00 生涯学習講座で美術を勉強
18:00 スタッフの子どもの面倒をみる
19:00 夕食 サークル活動の仲間と 
22:00 就寝

贅沢な時間の過ごし方です。

こうした生活も「あり」かもしれないと思いました。

日本人シニア層は貯蓄が多く経済活性化のためにも

良い取組かもしれません。



ただ受容されるかどうかは疑問が残ります。


前述の内閣官房「東京在住者の今後の移住に関する意向調査」

の読み方に問題があるのです。


東京在住の50代男性の半数以上、50代女性及び60代の

約3割が地方への移住の意向を示している


とありましたが、


データを見ると以下のようになっています。

【男性50代】

今後1年以内に移住する予定・検討したいと思っている:3.3%

今後5年をめどに移住する予定・検討したいと思っている:5.8%

今後10年をめどに移住する予定・検討したいと思っている:7.5%

具体的な時期は決まっていないが、検討したいと思っている:34.2%

以上を加算すると50.8%となります。


これはあまりにも乱暴な解釈ではないでしょうか。

まず予定と検討では違います。
「東京も騒がしいから地方も選択肢の1つ」と考えている人も回答に

含まれます。

さらに具体的な時期も決まっていない人が34.2%いて

それらをひっくるめて過半数というのです。

http://k.d.combzmail.jp/t/8f9a/e0ufi7u0xohli18vs4TLW


他の年代も同様です。

東京在住の50代60代の非常に少ない人達のニーズを満たす為の

施策であるということが分かります。

仮に「予定・検討」を積極的な意見ととらえても50代男性で

17%程度しかありません。

その中には「10年をめどに」といった不確かなものも含まれています。

10年先のことは予定とは言えない位、分からないものです。

10年間に今の生活を予定していた人は少数であると思います。


私は今回の施策に至る前提として説得力が欠けるものであり、

事業として成り立たないのではないか
(補助金で施設を建設しても空室が目立つ状況になってしまう)

と考えます。


今後の動向に注目していきたいと思います。





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☆ 発行責任者:蛭川速
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(バックナンバー更新 2015年08月21日09時14分)