福岡アジア文化賞 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 【 アジアの風だより Vol.38 】
 ◆ 学術研究賞受賞 ジェームズ・C・スコット氏のフォーラム特集
 ◆ http://www.asianmonth.com/prize/
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2010.07.20


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    2010年(第21回)福岡アジア文化賞 学術研究賞に輝いた
    ジェームズ・C・スコット氏の市民フォーラムへ行こう!!

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Name 様


7月の3連休はいかがでしたか?猛暑の始まりを予感させる週末でしたね。
九州地方は梅雨明け、夏本番。体調管理に気を付けましょう。

さて、今回のメルマガも前回に引き続き、受賞者のひとりをピックアップして
詳しくご紹介していきたいと思います。
第2回目の今回は、学術研究賞に輝いたジェームズ・C・スコット氏。

難しそう・・・と敬遠しがちな政治学・人類学という分野を研究されてる方
ではありますが、本人はとっても明るい「お茶目なおじさま」。

お勧めの本やサイトなどをご紹介しつつ、スコット氏の人となりもご紹介し
ていければと思います。


◆◆◆ もくじ ◆◆◆

≪1≫ 学術研究賞 ジェームズ・C・スコット氏について

≪2≫ 学術研究賞 ジェームズ・C・スコット氏 市民フォーラムの概要

≪3≫ 第20回芸術・文化賞受賞 ツァイ・グォチャン氏の最近の活動

≪4≫ 第12回大賞受賞 ムハマド・ユヌス氏の最近の活動


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≪1≫ 学術研究賞 ジェームズ・C・スコット氏について
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エール大学の仲間から「ジム」の愛称で親しまれているスコット教授。自宅の
書斎には、以前来日したときに鎌倉で購入したという、書とも絵とも分からな
い、ただ白い部分がきれいに虫に食べられ黒い部分だけが残った壁飾りのよう
な「アート」が大切に飾られていました。

今でも東南アジアへの現地調査に出かけるバイタリティあふれるスコット氏の
キーワードは以下2点。

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▼ キーワード1/モラル・エコノミー論争
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スコット氏を一躍有名にしたのが「モラル・エコノミー論争」。
1976年に氏が発表した「モーラル・エコノミー」という著書をきっかけに世界
的な議論を呼び起こしました。
アジアという地域、政治学の領域をも超えた学際的議論が巻き起こったのです。

スコット氏が提唱したのは、通常は最大利潤の追求を目的に経済活動を行うの
に対し、東南アジア農村社会などでは必ずしもそうではないということ。

東南アジアのように小作農 vs 地主・国家のような構造のなかでは、人々は最
大利潤の追求を目的としない行動を起こすというのです。つまり、リスキーな
最大利潤を目指すのではなく、安定的な最低利潤を追求する、ということ。

スコット氏は、この一見無秩序にも見える小作農たちの行動を、詳細な文献研
究と、2年におよぶマレーシア農村でのフィールドワークで明らかにしてきま
した。

※スコット氏の著書「モーラル・エコノミー」
⇒ http://amzn.to/96oMrf

そして昨年、待望の新著が発行され、現在日本語版の翻訳が進んでいるとか。
国家の支配と、そこから逃れる山地民。支配者はなぜ山に登ってこないのか?
いや、登れないのか?モラル・エコノミー論争の次なる議論を巻き起こす氏の
主張は注目です。

※スコット氏の新著「The Art of Not Being Governed」
⇒ http://amzn.to/abnLD5


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▼ キーワード2/フィールドワーク
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スコット氏が重要視しているのが「フィールドワーク」。
野外・現地での実態に即した調査研究が氏のライフワークでもあります。

今年初めにも、数ヶ月間ミャンマーや東南アジアを中心としたフィールド
ワークを行ってきたそう。自ら現地へ赴き、現地の人たちと交流することで
初めてわかることことがあるのでしょう。

先ほどの「モラル・エコノミー論争」で提唱したメカニズムも、現地の人々
の状況・心情を理解してこそ生まれる理論なのです。

そんな氏のご自宅も、まさにちょっとしたフィールドワーク状態(?)
コネチカット州の大自然の中、牛や鶏などと生活を共にされています。

机上の空論ではない、文字通り地に足のついた調査をもとに導き出される氏の
主張は説得力たっぷりです。

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そんなスコット氏の研究の一端を、福岡でお聞きいただけるのが、この福岡
アジア文化賞の市民フォーラムです。
政治学、文化人類学、農村社会学、歴史学等に広がる氏の研究を、わかりや
すくご紹介しますので、是非ご参加ください。もちろん、参加費無料です。

 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ジェームズ・C・スコット氏 市民フォーラムのご参加はコチラから
  ⇒ http://www.asianmonth.com/prize/notice/index.html#j
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
     ※イベントに関するお問い合わせ:0120-141-286(10:00〜18:00)

※先着順となっていますので、お早めにお申し込みください。
※ジェームズ・C・スコット氏の経歴など、より詳しい情報は福岡アジア文化
 賞のウェブサイトでご覧いただけます。
⇒ http://www.asianmonth.com/prize/21/index.html#thisyear2


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≪2≫ 学術研究賞 ジェームズ・C・スコット氏 市民フォーラムの概要
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● 日 付:9月17日(金)
● 時 間:18:30〜20:30
● 会 場:イムズホール(福岡市中央区)、約400席
● テーマ:統治する国家・支配されざる民
● 入場料:無料 

▼出演
 藤原 帰一/東京大学大学院教授
 清水 展 /京都大学東南アジア研究所教授

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近代国家による支配と支配される側の関係を、生存維持・支配と抵抗・日常
の政治・アナーキズム等を中心に据えて分析してきたスコット氏。

氏の「フィールドワーク」に基づいた「モーラル・エコノミー」論は、現代
の我々が抱える問題にも密接に関係するのではないでしょうか。 

日曜朝の「サンデー・フロントライン」のコメンテーターとしても活躍中の
東京大学大学院教授の藤原帰一氏らを迎え、政治学、文化人類学、農村社会学、
歴史学などに広がるスコット氏の研究をわかりやすく紹介します。

当ウェブサイトにて申し込み受付を行っていますので、是非お申し込みくださ
い。もちろん、参加費無料です。皆様のお申し込み、お待ちしています!

 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ジェームズ・C・スコット氏 市民フォーラムのご参加はコチラから
  ⇒ http://www.asianmonth.com/prize/notice/index.html#j
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
  ※イベントに関するお問い合わせ:0120-141-286(10:00〜18:00)


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≪3≫ 第20回芸術・文化賞受賞 ツァイ・グォチャン氏の最近の活動
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昨年度、福岡アジア文化賞 芸術・文化賞を受賞されたツァイ・グォチャン
氏ですが、その後も精力的に作品を発表し続けています。

今回は、そんな最近の活動を少しだけご紹介。
(※紹介サイトは、すべて英語サイトになります)

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▼中国/RAM上海外灘美術館

上海万博の会場からも、すぐ近く。上海バンド地区にある「RAM上海外灘
美術館」にてツァイ氏のエキシビジョンが開催中(7月25日まで)
⇒ http://www.rockbundartmuseum.org/en/en_index.asp

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▼オーストラリア/シドニービエンナーレ

2年に1度開催されるオーストラリア「シドニービエンナーレ」にて招待作家
として作品を展示中(8月1日まで)
⇒ http://www.bos17.com/app/articles/articles/view/program-highlights

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▼フランス/ニース現代アート美術館

フランス・ニースにある現代アート美術館にて「地中海での航海」という名の
エキシビジョンを開催中(来年1月9日まで)
⇒ http://www.mamac-nice.org/

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▼シンガポール/国立美術館

シンガポール国立美術館にて「Head On」特別展覧会を開催中(8月31日まで)
⇒ http://bit.ly/du3nRh

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▼日本/愛知トリエンナーレ(※日本語サイト)

3年に1度開催される「愛知トリエンナーレ」にて、巨大な和紙を使用した
「火薬絵画」を発表予定(8月21日〜10月31日)
⇒ http://bit.ly/dvRi9n

※ツァイ・グォチャン氏の経歴など、より詳しい情報は福岡アジア文化賞の
 ウェブサイトでご覧いただけます。
⇒ http://www.asianmonth.com/prize/winner/20_04.html


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≪4≫ 第12回大賞受賞 ムハマド・ユヌス氏の最近の活動
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2001年(第12回)アジア文化賞 大賞を経て、2006年ノーベル平和賞に輝いた
ムハマド・ユヌス氏。記念講演会が各地で開催されていることは、前号のメルマ
ガでもお伝えした通り。ますます活動を活発化されているようです。

今回は、あの「ユニクロ」との連携というから驚き!
ユニクロとグラミン銀行で合弁会社を設立し、バングラデシュにて安価な衣料を
製造・販売するようです。雇用創出・市場拡大という両者の思惑が一致した結果
なのでしょう。素晴らしい取り組みですね。

ユヌス氏についての詳しい情報は、福岡アジア文化賞のウェブサイトでもご覧
いただけます。
⇒ http://www.asianmonth.com/prize/winner/12_01.html


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     ウェブサイト:http://www.asianmonth.com/prize/
     e-mail:acprize@gol.com
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