2012/07/17 vol.151 http://umareru.jp/
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◆◇◆◇◆ドキュメンタリー映画「うまれる」メールマガジン◆◇◆◇◆
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皆さま、こんにちは!
映画『うまれる』監督・プロデューサーの豪田トモです!
お元気ですか?
先日、神奈川県のスターバックス某店に行ったら、
聴覚障がいを持った方が働かれていました。
見た目はごく普通の20代半ばの男性で、
すごく真面目そうだし、こっちまで嬉しくなってしまう笑顔が素敵です。
(とても純粋な人だったので、仮に「純くん」と呼びます)。
一般企業で、しかも、お客様とやりとりする仕事で
障がいを持たれた方が働かれているのはあまり記憶がなかったので、
ちょっと驚いたのと同時に、
すごく新鮮な感じがしました。
聴覚に障がいを持たれているので、お仕事を続けていくには、
同僚やお客様などの理解と協力が必要な部分はあるかもしれませんが、
シートの「トール・ラテ」と「店で飲む」に指さすことくらい、
全く問題ありません。
それ以上に、
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「いろいろな立場の人が支え合いながら一緒に暮らしている」
という大事な事を肌感覚で教えてくれる試み
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だなぁと思い、すごく嬉しくなりました
(これを最近は「ダイバーシティ」という難しい言葉を使うそうです、笑)。
あまり知られていませんが、
【障がいを持った方々の平均賃金は月額約12,000円】
です。
「月額」です。
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98.9%の障がい者が年収200万以下の「ワーキングプア」で、
「貧困線」と言われる年収112万円を下回る方は56.1%
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にものぼります。
障がい者手当が月に約7万円前後あるそうですが
(すみません、細かな数字は分かりません)、
それでも十分な額とは言えないでしょう。
ご家族が経済的にも面倒を見ているのが現状のようです。
僕は『うまれる』の前に障がい者の方のドキュメンタリーを4本、
製作させていただき、いまもボランティア活動で月に1回、
障がい者施設を訪れていますが、
http://umareru.jp/umarerustaff-volunteer.html
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仕事の作り方、与え方、マネジメントの仕方によっては、
障がいを持った方々でも全く問題なく働けることがほとんど
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です。
それ以上に
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障がいを持った方々と接することは、
笑いと感動に満ち満ちていて、
いつも刺激と癒しがたっぷり詰まっています。
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実は『うまれる』事務局も、hanaさんという千葉県木更津市の作業所に、
・自主上映会のチラシや販売物の郵送
・アンケートの集計
・各種打ち込み作業
などをお願いしていますが、いつも丁寧にお仕事をしてくださっていて、
すごーーーく助かっています。
★地域作業所hana
http://www.npo-cw.net/index.htm
以前、京都の作業所の施設長の方がおっしゃっていた事が
印象に残っています。
「賃金が増えるということは、
好きなものが買えるようになり、
月に一回、外食が出来るようになるだけでなく、
“家族が持てるかもしれない”、
”結婚できるかもしれない”、
”いつか自分の家を持てるかもしれない”
と、夢が膨らむこと。
【夢を持てるということは、生きていていいんだということ】」
実際、この京都の作業所は、「仕事」というものを徹底的に研究し、
全国平均の何倍もの賃金を作り出していて、
働かれている方々は、皆、とても生き生きとされていました。
もし、スターバックスなどの一般企業で働ける方が増えれば、
夢を持てる方も増えるという事なのかなぁと
単純に考えたくなります。
ただ、企業によっては、
障がいを持った方にどう対処して良いのかが分からなかったり
(ワーク・ライフ・バランスと同じく、
良い意味で働き方を変える必要が出てきます)、
ちょっとしたミスを問題視して、通えない状態になってしまう事も
多いようなので、
「純くん」が今後も働き続けられることを祈っています☆
※ ちなみに、映画『うまれる』では聴覚障がい者の方もご覧いただける
バリアフリー版をご用意しています。
http://www.umareru.jp/everycinema-2.html#09
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◆ 目次
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├ 夢を実現するのにスタートする年齢は関係ない
├ 【自主上映会】のご案内
├ あとがき 「泣」と「涙」の語源
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◆ 夢を実現するのにスタートする年齢は関係ない
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僕が敬愛している映画監督の一人に、
中国のチャン・イーモウ監督がいます。
彼はカンヌ、ベルリン、ヴェネツィアという三大映画祭で
グランプリを取った現存する唯一の監督で、
ドラマからアクション、ドキュメンタリー・タッチの作品まで
様々なジャンルにチャレンジし、たくさんの傑作を生み出して
います(有名な映画は「HERO」や「初恋の来た道」など)。
実は僕が彼を敬愛する理由は、良い作品を作っているから、
とはちょっと違うんです。
どういう事かと言うと、彼が
「遅咲きの苦労人」
だからです。
1951年生まれのチャン・イーモウ監督は1960年〜1970年代に起きた
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文化大革命に巻き込まれ、15歳から10年間、
下放(地方の農村で肉体労働を強いられること)
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されています。
いわば、貴重な青春を奪われた形になりますが、
その時に写真の魅力に取り付かれた事が、後に映画への道を開きます。
当時は絶望と失望の日々だったと思いますが、
【すべての事に意味がある】
んだなぁと思わせてくれます。
北京に戻り、「本格的に映画を学びたい!」と思い、
27歳の時に国立の有名な映画学校に願書を提出しますが、
年齢制限によって却下(たしか25歳まで)。
しかし、チャン・イーモウ監督は
「文化大革命のせいでこの年での願書提出になってしまったのです」
と、諦めずに事情を説明して、
何とか「オーバーエイジ」で入学を認めてもらいます。
すごい執念。
そして行動力です。
しかも、中国は日本より国家権力の威圧が強いでしょうから、
強い信念と勇気をお持ちなのだなぁと思います。
おそらく学校では、彼は一番年上で「おっさん」だったでしょう。
そんな中で頭角を現し、
37歳の時に「紅いコーリャン」という作品で
長編映画監督として鮮烈にデビューしました
(その作品でさっそく、ベルリン映画祭で賞を受け取っています)。
僕はイーモウ監督の2年遅れの29歳から映画を学び始めました。
カナダのバンクーバーに留学したのですが、
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周りはほとんど20歳前後の若者で、
30名のクラスメートの中に
アラサーの「おっさん」はほとんどいません
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でした。
世で大成している映画監督の多くは、
若いときから映像を作り始めています。
スピルバーグ監督、「ダークナイト」のクリストファー・ノーラン監督、
「シックス・センス」のMナイト・シャマラン監督などは、
10歳(!)に満たない時に既に映画製作を開始しています。
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29歳から映画監督を目指すのは、
30歳からJリーガーを目指すようなもの
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で、正に【無謀中の無謀】でした(笑)。
でも、「遅咲きの苦労人」であるチャン・イーモウ監督の事を
思い出しながら、頑張ってきました。
そして38歳の2010年、『うまれる』で劇場公開映画を
作らせていただく幸運に恵まれました。
僕が経験したことは
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・夢を実現するのにスタートする年齢は関係ない
・自分の将来を決めるのは、自分の意思と行動力
・周りの支えがあって、自分の夢に近づける
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ということです。
(全部がすべての人に当てはまるわけではないと思いますが)
ただ、
元々の僕の夢は一本の映画を作ることではなく、
たくさんの良い映画を作り続けること。
これからも、謙虚に、そして強く、頑張っていきたいと思います☆
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◆ 【自主上映会】のご案内 (7月中旬〜7月下旬)
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先週・先々週は以下の場所で開催が決定いたしました。
皆さま、ありがとうございます!
岐阜県岐阜市(8/4) 山梨県富士吉田市(8/11) 奈良県桜井市(9/30)
神奈川県横浜市(10/14) 福井県敦賀市(11/11) 京都府京都市(11/24)
★ 病院上映も続々決まっています!!
北海道旭川市・森産科婦人科病院(12年10月)
沖縄県沖縄市・ゆいクリニック(12月9月〜11月)
三重県津市・医療法人碧会(12月9月)
http://www.umareru.jp/clinic.html
☆ 7月中旬〜7月下旬の上映は以下の日時・場所で行われます ☆
赤ちゃんと一緒に観れる上映会は「※ママ」、
無料上映は「※無料」と書かれています。
◆【7/21(土)10:00〜 複数回 東京都北区】 ※ ママ
主催:『うまれる』上映会inキタ/http://umarerukita.blog.fc2.com/
大塚麻子/070-5029-6015/umarerukita@gmail.com
◆【7/21(土)10:00〜、13:00〜 岐阜県山県市】 ※ 無料
主催:NPO法人 Kaba's Fam/http://heartland.geocities.jp/kabasfam/
「おやこYYひろば」 丹羽/050-1537-8718/kabasfam@ybb.ne.jp
◆【7/22(日)10:00〜、13:00〜 千葉県千葉市】 ※ ママ
主催:UA千葉「うまれる」実行委員会/http://umareruchiba.blog.fc2.com/
行木佐衣子/080-5452-1805/umareru.chiba@gmail.com
※ 千葉市長と監督・豪田トモのトークショーあり
◆【7/22(日)9:30〜 複数回 広島県広島市】 ※ ママ
主催:沖横田 秀雄/http://www.terakoya-shanti.com/
沖横田 秀雄/090-4658-3312/okihideo@hotmail.com
◆【7/22(日)10:00〜、13:30〜 東京都江戸川区】 ※ ママ
http://ail418.blog97.fc2.com/望月 信宏/090-3963-7924
umareru722@yahoo.co.jp/ボランティアスタッフ募集中
◆【7/25(水) 13:00〜 東京都江東区】 ※ ママ
主催:一般社団法人 マザー・ニア
大江 久留美/03-5858-5025/info@mother-nia.com
※ 株式会社ベアーズ創業者・高橋ゆきさんと監督・豪田トモの対談あり
◆【7/27(金)10:00〜 複数回 神奈川県横浜市】 ※ ママ
主催:特定非営利法人 カフェ・デラ・テラ
石渡由布子/080-6597-0166/ann48.y@gmail.com
◆【7/28(土)10:00〜 、12:00〜 大阪府大阪市】 ※ ママ
https://sites.google.com/site/umareru20120728/
福崎浩/06-6365-7560/fukuzaki@tenma-lo.jp
※ 監督・豪田トモの講演会あり
◆【7/28(土)10:00〜 複数回 愛知県東海市】 ※ ママ
主催:東海市民生児童委員・主任児童委員会
石川真理子/090-4210-2269/ishikawamariko1962@gmail.com
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詳細やお申込に関しては各主催者様にお問い合わせください。
★上映会スケジュール一覧はコチラ★
http://www.umareru.jp/everycinema-schedule.html
★上映会開催ご希望者はコチラから詳細を御確認ください★
http://www.umareru.jp/everycinema-2.html
★自主上映会を開催した事のない方のために「はじめての上映会」
というページもあります★
http://www.umareru.jp/everycinema-first-time.html
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◆ あとがき 「泣」と「涙」の語源
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あるお坊さんに聞いたお話ですが、
泣いたら悲しくなるのでは?、と思われるがちですけど、
【涙を流すという行為は、心の浄化作用がある】ようです。
「泣」という字は「水に流して、立つ」
「涙」という字は「水に流して、戻す」
「泣いたらスッキリした」という経験をされた方は多いと思いますが、
泣く事で自分の気持ちに向き合う事が出来るのかもしれませんね。
監督・父
豪田トモ
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□映画「うまれる」ホームページ:http://umareru.jp/
□お問い合わせ先:info@umareru.jp
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