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"ビジョン・プロセシング"マガジン『未来からの問い』
【未来からの問い】リーダーシップのジレンマ
  発行日: 2024年09月29日
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”ビジョン・プロセシング”マガジン
『未来からの問い』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━    2024.9.29  Vol.152

1.リーダーシップのジレンマ

リーダーに必要なものとは何でしょうか。
スキル、思考力、人脈、その他諸々と、人によって思い浮かべるものは様々かもしれません。しかしながら、どのような立場のリーダーであっても共通しているのは、リーダーは自分が創り出したい世界にコミットし、そのため主張を続けることだと思います。時に、周囲との対峙を通して、その主張は磨かれ、深まり、さらに強いコミットメントが育まれていきます。
しかし、この過程には、リーダーのジレンマとなり得るひとつの落とし穴があります。それは「自分の世界認識への徹底した検証をしないことで起こるはまり込み」です。例えば、業績の急拡大を掲げる経営者は、サスティナビリティに対する認識が甘く、地球環境保全に関する観点が抜け落ちがちという傾向がみられます。

自分の主張の土台となっている世界認識の甘さ・狭さは、必ずフォロワーの質を限界づけます。幅広い視野を持っている人たちは、そのようなリーダーは信じるに値しないとそのリーダーから離れていき、あるいはリーダーを支持するフォロワーは盲目的になり、おかしいと思っても真っ向から否定することはしないからです。限定的な世界認識に基づく主張は「お決まりのセリフ」を生みやすくなります。その結果、「あの人は〇〇主義だよね」「あの人は〇〇な人だから…」と型にはめられて評価・判断されてしまいます。

複雑性の高い現代において、何らかの結果を生み出していくためには多様なステークホルダーを巻き込み、そして正解の見えない中でも彼らに前進してもらうような働きかけが不可欠です。リーダーの主義・主張は明快でないと伝わりませんが、逆に「この人は何も見えていない」と思われると、巻き込みの範囲が狭くなってしまいます。また、はっきりした主張をすると、時に「そんなことでうまくいくわけがない」と思われることもあります。

では、このリーダーシップのジレンマから抜け出すにはどうすればよいのでしょうか?私は、「自分の考えや主張の背後にある世界認識を手放せるか」にかかっていると思います。インテグラル理論の提唱者ケン・ウィルバーは、『無境界』という著書の中でこう述べています。

「苦しみとは、偽りの境界を認識する最初の動きなのだ。正しく理解さえすれば、苦しみは解放的なものとなる」

リーダーシップのジレンマは、自分の考えや主張の背後にある“偽りの境界”が生み出す限界なのだと思います。コミットメントが高くなるほど、執着や囚われも大きくなります。それは、親が子供の幸せを強く願うほど、子供の行動にあれこれ口を出してしまうのと似ています。リーダーは、自分の主張にこだわるのではなく、そこから離れ、自由な心でいることが求められます。一見「無理だ」と思えるような挑戦を乗り越えていくからこそ、人々の心を打つリーダーは、いつも自然体で、肩の力が抜けているのです。

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           未来からの問い Vol.152

     あなたを限界づけているものがあるとしたら、それは何ですか?

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2.セミナー・ワークショップ情報

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日 程:2024年10月21日[月] 19:00〜21:30
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    1日目9:50〜19:30
    2日目9:00〜19:00
会 場:KFC Hall&Rooms(両国)
参加費:132,500円(税込)
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/4145587



■自己組織化チーミング手法「SOUNDメソッド」SOUNDコーチ養成講座 初級編
「SOUNDカード」を活用した対話の場づくりを体験し、変化が激しく先行き不透明な状況下でもチームメンバーが目的や意義を共有・合意し、チームとして共進化(Co-Evolve)していくことを可能にしていきます。

━17期日程 :2024年11月9日[土] 10:00〜18:30
会 場:KFC Hall&Rooms(両国)
参加費:88,000円(税込)  ※講師 中土井 僚
<詳細・お申し込み>
http://ptix.at/okPAn0


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『未来からの問い』
●発行責任者:山根 恭子
●発行元:オーセンティックワークス株式会社
●事業内容:組織進化コンサルティング
 オーセンティックワークスは、社会変容テクノロジー「U理論」
 を活用したプロセスコンサルテーションによって「ソーシャル
 フィールド(社会的な場)」を転換し、他責・対立・迷走等、閉塞
 感のある組織を創発的な組織へと進化させます。
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