バックナンバー BackNumber
 
"ビジョン・プロセシング"マガジン『未来からの問い』
  発行日: xxxx年xx月xx日
このバックナンバーをメールで受け取る
ここで入力したメールアドレスはこのバックナンバーを送信するためだけに利用され、メールマガジンは読者登録されません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

”ビジョン・プロセシング”マガジン
『未来からの問い』

━━━━━━━━━    2023.4.2  Vol.127


1.対話の構造的限界と問題を超えるとは?
「智に働けば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに、人の世は住みにくい」

夏目漱石「草枕」の冒頭に出てくる名句です。
これは人が協働していくことの難しさを表し
ていると思います。
そして、私が生業とさせていただいている組
織開発は、まさにこの「住みにくさ」をなん
とかしながら組織内での協働を可能にしよう
としている試みだともいえるでしょう。
こうした「住みにくさ」は、人と人が関わり
あうことの難しさの現れともいえます。
そのため「住みにくさ」を乗り越えながら協
働を可能にしていくためにも「対話」が重視
されやすくなります。
特に、私も含めた対人支援の関りを持つ人は、
「対話」の必要性や重要性を強調しやすくな
りますし、「対話」が全ての解決策だとは言
わないまでも、その可能性を信じているので
はないでしょうか。

しかし、コミュニケーションが成立しなけれ
ばそもそも協力のしようがありません。
そして、単に情報共有したり、議論を交わし
たりするというコミュニケーションのレベル
であれば解決できない問題だからこそ、ひざ
を突き合わせて粘り強く話し合う対話は欠か
せないものになっていきます。

従って、
ーーーーーーーーーーー
「対話」が全ての解決策だとは言えないもの
の、複雑な問題であればあるほど、協働の前
提となる
ーーーーーーーーーーー
ということです。

しかし、対話には構造的な限界とそれによっ
て生じやすい問題があります。
より正確には、対話の側に問題があるという
より、人間の側に認知的、心理的、能力的な
限界があるために、対話の限界を生じさせて
しまうと述べた方がよいと思います。
とはいえ、話がややこしくなるので、ここで
は対話の構造的限界とその波及によって生じ
る問題としましょう。

対話の構造的な限界とは、対話の価値が生ま
れ、その価値を体感するまでに、時間がかか
りやすいところにあります。

これは次から次へと解決の難しい問題が新た
に生じ続ける時代においては、この構造的な
限界は、かなり致命的です。

それに追い打ちをかけるように、「タイパ
(タイムパフォーマンス)」と呼ばれる時間対
効果の判断で、瞬時に見切られてしまう時代
においては、対話の価値が生まれる前に早々
に見切られてしまうことになります。

さらに、その構造的な問題によって新たな問
題も生じます。

それは、
「対話は無用の産物である」
という認識が主流になることです。

結局のところ、タイパの悪い対話の機会に呼
ばれては、価値が生じる/価値を体感する前
に早々に見切りをつけられるということが繰
り返し起これば「対話は役に立たないもの」
と認識されるのも無理はありません。
それは「歯槽膿漏で歯茎がやせる」のと同様
に、「協働の土台そのものを削っている」こ
とになります。

ファシリテーターとして組織開発に関わらせ
ていただくようになってから約20年になりま
すが、この「タイパとの戦い」をずっと続け
てきたと言っても過言ではありません。
そして厄介なことに、タイパを高めようとす
ればするほど、ファシリテーターとしての介
入の度合いが深くなることを意味することに
なります。
それはファシリテーターである私の存在自体
によって場が左右されるというジレンマも抱
えることにもなります。

ちょうど一年前にSOUNDメソッドとSOUND
カードをリリースいたしました。
実は、私は当初「ファシリテーションのサポ
ートツール」という位置づけにしか思ってい
ませんでした。
しかもファシリテーター初心者向けのための
補助輪という感じです。

しかし、先日某大手企業で新規事業開発を担
当されている管理職の方々にSOUNDカードを
元にしてファシリテーションを行わせていた
だいたことで、視点が切り替わりました。

たった2時間しかない状況の中で、
これまで一堂に会して対話をしたことがなか
った方々が、対話の価値を実感し、全員が納
得する形で自らネクストアクションを生み出
す状態にまで到達している。

20年試行錯誤を続けてきた私のスキルをもっ
てしても、このパフォーマンスに到達するこ
とはありませんでした。

単なる初心者向けのツールとして生み出した
はずのものが、私のファシリテーターとして
の限界を超える形でポテンシャルを引き出し
てくれるパートナーとなっている。
しかも私がファシリテーターとしてかけた労
力は3分の1以下です。
「タイパ」が求められるが故に、協働の土台
そのものが削られている時代に、SOUNDメ
ソッド×SOUNDカードという組み合わせが
本当にお役に立てることがあると強く実感し
ました。

この認識に立てたことで、
「私は『便利なもの』を生み出したのではな
く、『可能性そのもの』を発明することが出
来たのだ」
という思いに至りました。
 
人と人が力を合わせる可能性を信じ続けたい。
 
そう願う全ての人たちにSOUNDカードをお届
けしたい気持ちでいっぱいです。

SOUNDメソッド×SOUNDカードの解説や、
購入はこちらからご覧ください。
https://www.soundmethod.jp/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2.SOUND カード オフィシャルホームペー
ジがオープンしました

どのようなミーティングにおいても「心理的
安全性」を高め、「目指したい方向性」を見
える化し、「具体的な行動」を決定するため
の、ミーティング進行補助ツールである、
「SOUNDカード」。
この度、SOUNDカードのオフィシャルホーム
ページがオープンいたしました。

・SOUNDカードの使い方
・活用事例集
・実践事例、講座卒業生レポート
・FAQ
などをご紹介しております。
カードの購入も本サイトから可能です。
ぜひご覧ください。
■サイトURL:https://www.soundmethod.jp/ 



3.セミナー・ワークショップ情報

■リーダーシップ・シフトプログラム
  エントリーコース

仕事やプライベートに活かせるU理論に基づく
問題解決法をご紹介します。

会場  :ZOOMにてオンライン開催
参加費:3,300円(税込)

日程  :2023年4月8日[土] 19:00〜21:30
https://peatix.com/event/3489107

日程  :2023年4月26日[水] 19:00〜21:30
https://peatix.com/event/3498087



■リーダーシップ・シフトプログラム
  ベーシックコース

自分自身と周囲の「自分らしさ」を解放する
ことで、その人の強みが十分に発揮される状
態を創り、一人一人と場の進化をもたらし続
ける全く新しいテクノロジーをご提供いたし
ます。

━35期日程:2023年4月22日[土]〜4月23日[日]
    1日目9:50〜19:30
    2日目9:30〜19:00
会場  :KFC Hall&Rooms
参加費:(通常価格)132,500円(税込)

<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/3539911

━36期日程:2023年6月10日[土]〜6月11日[日]
    1日目9:50〜19:30
    2日目9:30〜19:00
会場  :KFC Hall&Rooms
参加費:(通常価格)132,500円(税込)
(2023/5/10まで早割価格)102,500円(税込)
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/3452612



■自己組織化チーミング手法「SOUNDメソッ
ド」SOUNDコーチ養成講座 初級編

「SOUNDカード」を活用した対話の場づくり
を体験し、変化が激しく先行き不透明な状況
下でもチームメンバーが目的や意義を共有・
合意し、チームとして共進化(Co-Evolve)
していくことを可能にしていきます。

━8期日程 :2023年5月20日[土]
    10:00〜18:30
会場  :KFC Hall&Rooms
参加費:88,000円(税込)
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/3376647


━9期日程 :2023年7月30日[土]
    10:00〜18:30
会場  :KFC Hall&Rooms
参加費:55,000円(税込)
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/3414286


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
※新型コロナウイルス感染症の対策/オープ
 ンセミナー・イベント実施に関する最新情
 報は、当社サイトの専用ページにて随時更
 新・発信しています。
https://bit.ly/3AHpIzK
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



━━━━━━<発行者情報>━━━━━━━
”ビジョン・プロセシング”マガジン
『未来からの問い』
●発行責任者:山根 恭子
●発行元:オーセンティックワークス株式会社
●事業内容:組織進化コンサルティング
 オーセンティックワークスは、社会変容テ
 クノロジー「U理論」を活用したプロセス
 コンサルテーションによって「ソーシャル
 フィールド(社会的な場)」を転換し、他責
 ・対立・迷走等、閉塞感のある組織を創発
 的な組織へと進化させます。
●URL:http://www.authentic-a.com/
●お問い合わせ:
  aw-office@authentic-a.com
●バックナンバー:
  http://backnum.combzmail.jp/?m=r8v6
●アドレス変更・配信停止:
  https://tinyurl.com/y27jkspp
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
Authentic Works  2023 All Rights reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━