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"ビジョン・プロセシング"マガジン『未来からの問い』
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組織進化"刺激"マガジン『未来からの問い』

━━━━━━━━━ 2022.12.19  Vol.122

1.問いが変われば世界が変わる Why編
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前号のvol.121では「問いが変われば世界が
変わる」と題しまして、Howという「ゴール
に向かうための道筋・手段を探る問い」の
限界についてご紹介しました。
同じようなことが「Why」の問いにも言える
と考えております。
今回は「問いが変われば世界が変わるWhy編」
としてご紹介します。

私は2000年頃にコーチングに出会い、2001年
にCTIジャパンでコーチ資格を取得したので
すが、当時の講座で言われて非常に驚いたこ
とがあります。
「『Why』という言葉は使わないようにして
ください」
最初のキャリアであるコンサルティング会社
では、とにかく「なぜ?」を突き詰められる
日々を過ごし、また「なぜ?」と問うことも
仕事であると考えていた私にとって、このこ
とは本当に衝撃的でした。
その当時、「では何と訊けばよいのか?」と
質問したものの明確な答えは返ってきません
でした。また、そもそもWhyの問いの何がお
かしいのかもよくわからなかったため、その
後自分なりに模索し、「問い」を体系化した
中から、今回ご紹介したいと思います。

(1)「Why」の限界
そもそもWhyの問いとはどのようなものなの
でしょうか?
Whyは「なぜなのか」という「結果」として
のとある事象に対して、原因を問うときの言
葉になります。
その「結果」を引き起こした原因は1つでは
なく、実は無数にありうるということをご想
いただけるでしょうか。
例えば、「ノートパソコンの電源が入らなく
なった」原因を考えてみます。
直接的な原因は何らかの部品故障だったとし
て、そもそもなぜその部品が故障したのか?
という理由は無数に挙げられると思います。
・知らないうちに漏電していたから
・経年劣化
・持ち運びの際の衝撃があったから
・乱暴に電源OFFしていたから
更にこれらは「なぜ」起こったのか。製造時
の何かが影響しているのか、人の手によるミ
スなのか、偶然が積み重なっていったのか、
…挙げればきりがありません。

無数の原因があるという前提で、「Why」と
いう問いは何を引き起こすのでしょうか?
それは、原因究明とその正解探しを回答者に
強制するということです。 
「なぜ、そんなことになったの?」と言われ
た瞬間に回答者にとっては正解を言うことが
強制されている、という体験になります。
これが重要なポイントであり、回答者に以下
のような心理的負担を負わせることになりま
す。

1)回答者に原因究明の責任を負わせること
で、恐怖の感情とともに「正解を言わねばな
らない」というプレッシャーを負わせる
2)「適切な回答が話せないと知性が問われ
る」という状況に立たせる
3)ケースバイケースではあるものの、原因
究明とともに自分の責任も問われる、という
可能性を生み出す

こうなると、回答に窮して相手とのラポール
が形成されづらくなる、自由な内省ができな
くなる、ということが起こりえます。
冒頭の「コーチは「なぜ?」という問いをク
ライアントにあまり使わない方がいい」とい
うのは、これらの理由によるものではと思っ
ています。
また、「回答者に心理的負担を及ぼす」とい
う点においては、コーチングに限らず、コミ
ュニケーション全般においても言えることで
しょう。
 
(2)Whyの問いに変わるもの
How編でお伝えしたものと同様に、Whyにつ
いても「What」の問いに変えてみるのがよ
いと思います。
「Why」の問いは、無数の原因があることに
対して、ともすれば回答者にすべての責任を
負わせてしまうような体験をさせるところに
辛さ・苦しさがあると思います。
それに対して、Whatの問いに変えることで、
「何が原因だとあなたは見ていますか?」
「どんな原因・要因がそこにあったかと思い
ますか?」
という問いかけになります。
原因・要因は、その人とは関係ないところに
あり、「その要因はあなたはどう見ているの
か?」という問いかけをすることで、姿勢が
問われる・責任が問われる、という強制感か
ら離れやすくなるのではと思います。 
Whyは原因究明であるのに対して、Whatは原
因探索である、というのが大きな違いである
とみています。
Whatの問いかけを通して、質問者も共に原因
を探索する姿勢であることが伝わるというこ
と。これがコミュニケーション上非常に重要
だと思います。
更に言うと、Whyの問いは原因の領域を限定
していません。
「ノートパソコンはなぜ壊れたの?」という
問いかけは、使い方・部品・性能、その他様
々な領域があるもの、すべて回答者に委ねて
しまいます。
しかし、Whatの問いをうまく使うことで、
「どんな部品が故障の原因だったの?」 
「どんな使い方がまずかったの?」 
と、領域を限定できるので、回答者の思考を
深める手助けになるでしょう。
これは、自分自身の思索をするときにも同様
に有効な問いであるとも思います。

Whyという問いの限界について、そして、
Whatの問いに変えることでの変化をご紹介
しました。
Whyの問いにより答えは出てくるかもしれま
せんが、回答者との関係に緊張が生まれたり
、場合によっては相手の自信を失わせてしま
う、またはモチベーションを下げてしまう可
能性があります。
そこで、Whatの問いかけに変えることにより
、相手との関わり方が変わります。
そしてそこから、自分と相手の思考が深まる
可能性を創りだすこともできると思っていま
す。

前号でもお伝えした通り、思考は行動に影響
し、行動は世界に影響を及ぼします。

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の一助となっていることを願ってやみません。 
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https://peatix.com/event/3387881

■リーダーシップ・シフトプログラム
  ベーシックコース

自分自身と周囲の「自分らしさ」を解放する
ことで、その人の強みが十分に発揮される状
態を創り、一人一人と場の進化をもたらし続
ける全く新しいテクノロジーをご提供いたし
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    1日目9:50〜19:30
    2日目9:30〜19:00
会場  :KFC Hall&Rooms
参加費:(通常価格)132,500円(税込)
(2023/1/11まで早割価格)102,500円(税込)
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/3393062


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ド」SOUNDコーチ養成講座 初級編 

「SOUNDカード」を活用した対話の場づくり
を体験し、変化が激しく先行き不透明な状況
下でもチームメンバーが目的や意義を共有・
合意し、チームとして共進化(Co-Evolve)
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    10:00〜18:30
会場  :KFC Hall&Rooms
参加費:55,000円(税込)
<詳細・お申し込み>
https://peatix.com/event/3353623

━7期日程 :2023年3月21日[祝]
    10:00〜18:30
会場  :KFC Hall&Rooms
参加費:55,000円(税込)
<詳細・お申し込み>
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━━━━━━<発行者情報>━━━━━━━
組織進化"刺激"マガジン『未来からの問い』
●発行責任者:山根 恭子
●発行元:オーセンティックワークス株式会社
●事業内容:組織進化コンサルティング
 オーセンティックワークスは、社会変容テ
 クノロジー「U理論」を活用したプロセス
 コンサルテーションによって「ソーシャル
 フィールド(社会的な場)」を転換し、他責
 ・対立・迷走等、閉塞感のある組織を創発
 的な組織へと進化させます。
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