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"ビジョン・プロセシング"マガジン『未来からの問い』
  発行日: xxxx年xx月xx日
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 組織進化"刺激"マガジン『未来からの問い』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    2022.7.3  Vol.114

1.事例紹介:「社員が自ら変化を起こす」組織づくりに必要なこととは?
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あっという間に7月を迎えました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今号では、弊社が組織変革サポートをさせていただいた企業様の事例をお届けいた
します。
ヘルスケア事業を手掛けていらっしゃる会社様での、約2年にわたる組織開発プロ
ジェクトについてです。
代表取締役社長(※当時)へのインタビュー形式にて、ご紹介いたします。

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【激変する事業環境の中で、階層の垣根を越えて、社員自ら変化を起こす組織を作
り上げるには?】

【目次】
1.課題・背景
2.組織開発プロジェクトについて
3.変化の兆し

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1.課題・背景
【個人の能力向上ではなく、社員同士が有機的につながり合う組織作りが急務】

…私が通販事業の責任者だった時に、人事から、「全社の社員の能力を底上げする
ために、どんなトレーニングがいいか?」という相談があったんです。戦略策定、
マーケティング知識、プレゼンテーションといった、いわゆるビジネススキル向上
を想定したヒアリングでした。

それを聞いて、「個人の能力開発よりももっと大切なことがある」というのが私の
直感でした。当社は、創業社長が自身の体験やお客様の要望に基づいて、事業を生
み出し、拡大してきた歴史があるにも関わらず、日々仕事をしていても、社内で「
お客さま」という言葉が少ないことや、一人ひとりの社員が何のために仕事をして
いるか、人生のミッションにつながるような会話がないことが気がかりだったんで
す。

これには理由があって、カリスマ創業者の影響が非常に強かったため、創業者退任
後の事業売却等めまぐるしい変化の中にあっても、これまでのやり方、考え方にこ
だわってしまう。それで、結果が出ない事を互いに他責にし、建設的な話し合いが
できないような状態となっている。実際に、若手の離職やモチベーションダウンが
目立ち、彼らを管理する所属長たちは疲れきっていました。さらに、社内の多くの
ところで言いたいことが言えない。部門長たちは横の連携が取れていない。課題が山
積している状態でした。

そこで人事には、「ビジネススキルの向上よりも、一人ひとりが有機的に繋がって
高め合うような組織をどう作っていくかの方が重要ではないか」という話をしまし
た。
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2.組織開発プロジェクトについて
【「誰かが答えを出す」には限界がある。一人ひとりの当事者意識を高めるには?

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◆取り組み内容
[1]第1ステージ
・視座向上・一枚岩化をテーマとした次世代経営幹部育成プログラム
[2]第2ステージ
・課長クラスの交流とリーダーシップ・マネジメント力向上をテーマとした研修
・「当社が創り続けなくてはならない商品・サービスの定義と社会的役割」の定義
創り
[3]部門長・所属長 合同対話セッション
・組織として変化を推進していく基盤づくり

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[1]1年目
…私自身も部門長として1年目はプログラムに参加する側でした。なので、あくまで
当時の自分からの見立てですが、正直なところ、プログラムを通じて、自己変容し
て、周囲との関わりが変わったという参加者はわずかだったように思います。大き
く変わった人もいれば、依然として受け身な参加者も多いという印象でした。

そうした中で、2017年の2月に私自身が社長になることとなりました。この時に、
中土井さんから「何か手伝えることないですか?」と声をかけてもらいました。「
この会社という器を使って創り上げたい社会を聞かせてください」という話をもら
って、この機会に自分の想いを整理してみようと取り組み始めました。

中土井さんとの取り組みの結果は2017年4月の所信表明へとつながっていくのです
が、この間に中土井さんと、自社の未来についての対話を重ねながら、2016年に部
門長に行ったプログラムを所属長向けにカスタマイズし、2017年から所属長向けプ
ログラムとして継続的に実施していくことを決めました。


[2]2年目
…2017年に行った所属長プログラムでも、横の繋がりが強まっていくように感じて
いました。しかしながら、あくまでもそれは所属長同士の繋がりに過ぎないという
感覚もありました。私自身の思いとして、「部門長・所属長の垣根を超えたナナメ
の繋がりが築かれなくては、組織を強くすることは出来ない」という気持ちがあり
、もう一歩踏み込めないかと考えていました。

そうした中で迎えたプログラム最終回の「部門長・所属長対話セッション」は、そ
の後の組織の変革を支えるターニングポイントになったと思います。所属長・部門
長・経営陣という階層の垣根を越えて皆で立ち止まり、現場社員のこころも想像し
ながら、環境が目まぐるしく変化していることを受け止め、今後の在り方について
、皆で備える機会となったのです。

そして、この最後の対話で見出すことができたのが、「私たちは一人ひとりの本来
持っている可能性を信じ引き出すことで、「未来のあたり前」を創りつづけます。
」という自分たちが創りつづける商品・サービスの定義と、「すべての生命が尊重
され、笑顔とありがとうと活力に満ちあふれた「持続可能な社会」の実現を目指し
ます。」という自分たちの社会的役割の定義でした。


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3.変化の兆し
【2年間の積み重ねで芽生えたもの】

…部門長、所属長に対するプログラムが終わって数年経ちますが、少しずつ前向き
な兆しが出てきてると感じます。最初のうちは確かに、社員からは抵抗がありまし
た。「あんまり波風立てないでください」とか「そういうのって、上の人が決める
ことじゃないんですか?」とか。でも徐々に、自分たちで考える、自分たち自ら行
動するということを、怖れずにし始めています。

以前であれば、結果が出ないと、おそらく「全部巻き戻す」となっていたと思うん
ですが、今回は変わることへの意気込み、決意がある。痛みを覚悟した上で、短期
の売り上げも守ろうと奮闘してくれている社員への感謝とともに、経営としてしっ
かり成果につなげる努力をしていきたいと思っています。

( 今後、創り出していきたいことは何ですか)笑いたいときに笑って、泣きたいと
きに泣いて、怒りたいときに怒って、また笑いたいときに笑える。そんな「自由に
生きられる社会」を作り上げていきたいと思っています。

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以上、組織開発プロジェクト事例について、当時の社長へのインタビューにてご紹
介させていただきました。

当事者意識とは「自分がある事象の引き起こし手であるという自覚を深い実感を伴
って持っている【状態】」であると、前々号(vol112)でご紹介しました。
今回の事例では「ナナメの繋がり」と表現されていますが、立場・役職を超えた連
帯が生まれ、その中から組織の新たな社会的役割・あり方が生み出されたことが、
社員の皆さんの当事者意識の高まりに大きく寄与する出来事となったのでは、と思
い起こしています。


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          【未来からの問い Vol.114 】           
                                
あなたの組織の当事者意識を高めるために必要なものは、何ですか?
                                
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今後もHP・メルマガにて企業様事例をご紹介させていただきます。
近いうちに新しい事例もご紹介できるかと思いますので、ぜひ楽しみにお待ちいた
だけたら幸いです。

■企業変革事例「組織変革リーダーの横顔」、その他ソリューションについてはHP
にてご覧ください。
https://www.authentic-a.com


                                                 中土井 僚

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2.セミナー・ワークショップ情報

■リーダーシップ・シフトプログラム エントリーコース
ケースで学ぶ仕事やプライベートに活かせるU理論に基づく問題解決法をご紹
介します。

会場  :ZOOMにてオンライン開催
参加費:3,300円(税込)

<詳細・お申し込み>
日程  :2022年7月23日[土] 19:00〜21:30 《初の土曜開催》
http://ptix.at/1Mza4U

日程  :2022年8月17日[水] 19:00〜21:30
http://ptix.at/GHCfkW

日程  :2022年9月7日[水] 19:00〜21:30
http://ptix.at/fnLpXn

■リーダーシップ・シフトプログラム ベーシックコース31期

日程 :2022年8月6日[土]〜8月7日[日]
    1日目9:50〜19:30
    2日目9:30〜19:00
会場  :両国KFC Hall&Rooms
参加費:(通常価格)132,500円(税込)
      (2022/7/6までの早割価格)102,500円(税込)

<詳細・お申し込み>
http://ptix.at/j133vr



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※新型コロナウイルス感染症の対策/オープンセミナー・イベント実施に関する
最新情報は、当社サイトの専用ページにて随時更新・発信しています。

https://bit.ly/3AHpIzK
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3.動画コンテンツ配信情報

株式会社アントレプレナーファクトリー様と協働で制作しました、組織開発の
理論と実践について解説した動画コンテンツを提供しています。

◎『組織開発で使える「成人発達理論入門」』
成人発達理論の基本をおさえ組織開発に活かす36本
https://www.enfac.co.jp/contents/aditi-entry/

◎『オンラインにおけるチーム運営と組織開発』
急速な環境の変化を変革の機会へ導く知識と実践の講座73本
https://www.enfac.co.jp/contents/om/


━━━━━━━━━━━━━━<発行者情報>━━━━━━━━━━━━━━
組織進化"刺激"マガジン『未来からの問い』
●発行責任者:山根 恭子
●発行元:オーセンティックワークス株式会社
●事業内容:組織進化コンサルティング
 オーセンティックワークスは、社会変容テクノロジー「U理論」を活用した
 プロセスコンサルテーションによって「ソーシャルフィールド(社会的な場)」
 を転換し、他責・対立・迷走等、閉塞感のある組織を創発的な組織へと進化
 させます。
●URL:http://www.authentic-a.com/
●お問い合わせ:aw-office@authentic-a.com
●バックナンバー:http://backnum.combzmail.jp/?m=r8v6
●アドレス変更・配信中止:https://tinyurl.com/y27jkspp
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