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"ビジョン・プロセシング"マガジン『未来からの問い』
  発行日: xxxx年xx月xx日
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 組織進化"刺激"マガジン『未来からの問い』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    2019.10.6   Vol.68

1.「ティール神話」と「反ティール」に対する違和感

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先日、ティールジャーニーキャンパスというイベントに参加しました。非常に
盛況で、昨年日本で『ティール組織』が出版されて以来、組織の現場で起きて
いるティールブームを改めて実感した場でした。

ただ今回、何より感じたのは、ティール組織について、ほとんどの人がそれぞ
れのイメージで捉えていて、「なんとなく次世代型の良い感じの組織形態」と
いう認識しかなさそうということです。

おそらく、ティール組織を支持していたり、ポジティブなイメージを持ってい
る人は以下のようなざっくりなイメージを持っているように思います。

1. みんなが自発的にイキイキ働いている
2. 階層型の従属させるような組織ではなく、縛られないような自由がある
3. 多様性が尊重されて、自分らしくいられる
4. 自律分散型で、なんとなく「今風」

特に、「束縛ではなく自由」みたいなのが、従来の階層型組織や年功序列のア
ンチテーゼのように捉えられていて、それが妙な「ティール神話」を作ってい
るように思います。そして、そういう論調の人は「グリーン」的発想からティ
ールを見ているように思います。

ただ、そうしたグリーン的な地に足がついていないうわっついた空気にみえて
しまうからなのか、「ティールだけが答えじゃねえじゃん」といった論調もそ
こかしこで耳にするのですが、これも何かずれているように思います。

それは、「成果を出すのが是」というオレンジやアンバー的パラダイムの中で
「反ティール」を掲げているので、そういう話になるのだと思うのですが、
「成果を出すのに何がふさわしい組織モデルなのか?」という論点自体がかな
りずれているように私には感じられています。

どの組織モデルがふさわしいかは、その置かれている環境や状況に依存します。

震災が起きた直後の緊急事態のような状態は、おそらくアンバーのような軍隊
的な組織の方が機能するでしょう。

V字回復が必要な瀕死の状態にある企業においては、オレンジの合理性とアン
バーのような上意下達的な指示命令も必要になるかと思います。

大事なポイントは、どの組織形態も副作用と限界を持つということです。それ
は、ティールにおいてさえもです。

アンバーの組織を長く続けると、社員は「言われたことしかできない」人にな
りやすくなります。

オレンジの組織を長く続けると、合目的的なもの以外を全て排除するため、優
先順位が下げれられた「外在化」した問題は吹き溜まり続け社会問題化します。
社内では人が部品のように扱われた結果、メンタルヘルスやモチベーションダ
ウンの問題を慢性的に抱えることになります。

グリーンの組織は家族主義的で居心地はよく、人間らしく働けますが、議論が
延々と続いていましまい、結局、創業家や役員クラスの方で意思決定を下すこ
とになるので、創業家や役員クラスと社員の間で緩やかな階層が生まれてしま
います。

結局のところ、ティール組織が地球上で「出現」しているのは、兎にも角にも、
オレンジまでの世界観が垂れ流し続けてきた外在化した問題によって、企業が
自らの首を締めている状態にまできているからこそ生まれてきている組織形態
であるに過ぎないのです。

それは、会社で働く一人ひとりを幸せにしないということだけではなく、環境
問題を始め、様々な待った無しの状態にさせている社会問題によって、組織運
営自体に突きつけられているものがあるということです。

「頭」で考えた答えに向かって、合目的的に結論を出すだけでなく、人間とし
ての感性も持ち込んで「なんか、おかしくね?」ということがちゃんと拾えて、
それを組織運営として活かせるようになるからこそ、全体性と調和のとれた動
きが取れる。それがティール組織の姿なのだと思います。

「ティール組織が是か非か」という議論ではなく、「ティール組織が地球上で
生まれてきている背景」を知り、自分たちに今、何が問われているのかに向き
合うことが大切なのではないかと思います。


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          【未来からの問い Vol.68 】           
                                
「あなたが組織に所属している中で本当に問われていることは何ですか?」       
                                
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                                                           中土井 僚


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2.セミナー・ワークショップ情報

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■リーダーシップ・シフトプログラム エントリーコース
ケースで学ぶ仕事やプライベートに活かせるU理論に基づく問題解決法をご紹
介します。

日程  :2019年11月6日[水] 19:00〜21:30
場所  :オーセンティックワークス株式会社 セミナールームABC
        http://www.authentic-a.com/access/
参加費:3,300円(税込)(当日支払の場合は5,000円)  

<詳細・お申し込み>
URL: https://k.d.combzmail.jp/t/r8v6/i0hbars0lv65wk77qyVvH


■リーダーシップ・シフトプログラム ベーシックコース16期
自分自身と周囲の「自分らしさ」を解放することで、その人の強みが十分に発
揮される状態を創り、一人一人と場の進化をもたらし続ける全く新しいテクノ
ロジーをご提供いたします。

日程 :2019年12月14日[土]〜12月15日[日]
    初日9:50〜18:30 
    2日目10:00〜18:30 
場所  :オーセンティックワークス株式会社 セミナールームABC
        http://www.authentic-a.com/access/
参加費:(通常価格)132,500円(税込)
    (11/14までの早割価格)102,500円(税込)

<詳細・お申し込み>
URL: https://k.d.combzmail.jp/t/r8v6/i0hbcrs0lv65wk77qy799


■組織開発入門セミナー
なぜ、いま組織開発が必要なのか? VUCA時代に求められる「組織課題を見立
てる視点」をご提供いたします。

日程  :2019年12月3日[火] 13:30〜17:00
場所  :オーセンティックワークス株式会社 セミナールームABC
       http://www.authentic-a.com/access/
参加費:無料

<詳細・お申し込み>
URL: https://k.d.combzmail.jp/t/r8v6/i0hbers0lv65wk77qyBzN


■ビジョンインテグレーションアプローチ イントロセッション
当講座では、ダイバーシティに溢れるチームであったとしても、「違いを認め、
可能性の未来に向かって、力を結集する」ことを可能にするための原理・原則
をご紹介いたします。

日程  :2019年10月17日[木] 19:00〜21:30
場所  :オーセンティックワークス株式会社 セミナールームABC
        http://www.authentic-a.com/access/
参加費:3,300円(税込)

<詳細・お申し込み>
URL: https://k.d.combzmail.jp/t/r8v6/i0hbgrs0lv65wk77qysAT


■ビジョンインテグレーションアプローチ ベーシックコース17期
当講座では、個々人の内側に眠るビジョンを引き出し、チームの創発的な合意
を可能にする画期的なファシリテーション手法をご紹介いたします。

日程  :2019年11月30日[土]〜12月1日[日] 
場所  :オーセンティックワークス株式会社 セミナールームABC
        http://www.authentic-a.com/access/
参加費:(通常価格)91,300円(税込)
    (10/29までの早割価格)81,400円(税込)

<詳細・お申し込み>
URL: https://k.d.combzmail.jp/t/r8v6/i0hbirs0lv65wk77qy3QI


━━━━━━━━━━━━━━<発行者情報>━━━━━━━━━━━━━━
組織進化"刺激"マガジン『未来からの問い』
●発行責任者:下山 久美子
●発行元:オーセンティックワークス株式会社
●事業内容:組織進化コンサルティング
 オーセンティックワークスは、社会変容テクノロジー「U理論」を活用した
 プロセスコンサルテーションによって「ソーシャルフィールド(社会的な場)」
 を転換し、他責・対立・迷走等、閉塞感のある組織を創発的な組織へと進化
 させます。
●URL:http://www.authentic-a.com/
●お問い合わせ:aw-office@authentic-a.com
●バックナンバー:http://backnum.combzmail.jp/?m=r8v6
●配信中止はこちら:https://regssl.combzmail.jp/web/?t=mt23&m=r8v6
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