━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
組織進化"刺激"マガジン『未来からの問い』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2019.3.10 Vol.58
1.「弱さを見せあえること」と「強さ」に何の関係があるのか?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
2017年秋の話になりますが、ハーバード大学ロバート・キーガン教授の来日に
伴い、シンポジウムに加え、ワークショップにも参加させていただいたことで
5日間にわたり、教授と時間を過ごさせていただきました。
「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」の出版記念シンポジウムだったとい
うこともありましたが、改めてVUCA時代における組織のあり方とは何かを
深く考えさせられる機会となりました。
印象に残ったキーガン教授の言葉はいくつもありますが、とりわけ自分の中で
腑に落ちたのは以下の3つです。
●組織の中で多くの人は自分の弱さを隠すための”セカンドジョブ“に精を出
している
●人は組織の中で「孤独」という痛みを抱えている。それは代償を孕んだ「悪
い痛み(Bad Pain)」である
●弱さをさらけ出すのは痛みを伴うが、それは「良い痛み(Good Pain)」だ。
というものです。
「孤独を恐れ、弱さを隠すことに精を出し、偽った自分を演じているものの、
結局のところありのままでいられない孤独という痛みを味わっている」
もし、それが「組織」という場所なのだとしたら、私たち人間はわざわざ痛み
を味わうための場所を創りだし、予定通りにその痛みを味わっていることにな
るのかもしれません。
そのことに気づき始めている私たちはきっと今、何かを変える時に来ているの
ではないかと思います。
「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」のその前に考えてみたいのは、「弱
さを見せあえることは、強さと何の関係があるのか?」です。
弱さを見せあうという話になった時に、主に二つの反応が起きがちです。
それは
●そんなことしたら付け込まれてしまう
●それは単なる傷のなめ合いではないか
というものです。
それが効果的かどうかは「何のために」「誰のために」さらけ出すのかと、そ
の人間観が問われると考えています。
こちらの図をご覧ください→ https://goo.gl/2ZD6ef
よく見かける「さらけ出し」はCに留まっているケースが多く、聴かされた方
は嫌な気分にしかならないか、根本は自己防衛したままで何も変わらないこと
がほとんどです。
BとDに関しては結局のところ、深いところで人間を信じられていないために
自分の弱さを白日の下にさらすことが出来ません。
Bに関しては精神修行が乏しい場合、奉仕の精神があっても手放せていないた
めに、U理論で言うレベル1か2に留まってしまい、場の進化を限定的にして
しまう可能性が高いです。
------------------------------------------------------------------
「全体への奉仕の精神に基づく、勇気あるさらけ出しが場の進化を促す」
------------------------------------------------------------------
弱さをさらけ出す本当の目的は、周りの警戒心をほどき、親密さが場に生まれ
るようにするためか、その弱さを助けたいという貢献意欲の出現を促すことに
あります。
換言すれば身を危険にさらさない自己防衛的な「さらけ出したフリ」は何も相
手の警戒心を解くことにはつながりませんし、甘えによる開き直りは助けたい
という気持ちを生みません。
相手が身構えることなく安心していられる空間を提供したい、その人が貢献の
喜びに溢れた日々を送れるように自分の身を差し出したい。
大げさに聞こえるかもしれませんが、そんな全体への奉仕の精神がなければ本
当の意味での弱さのさらけ出しにはならないと思います。
さらけ出す力の意味は色々と語れますが、U理論になぞらえて一言で言えば「
手放す」ことにつきます。
全体に貢献する上で、それをさらけ出すことには意味があり、それが恐れを伴
うものであれば、その開示は「手放す」につながり、場がプレゼンシングにな
ります。
それは深いつながりと未来の出現を意味するので、そのさらけ出しは場の進化
を促すのです。
本物のさらけ出しには、その都度、配慮ある勇気を要します。
少しでも自己防衛的な中途半端さや、自分都合な邪さがあると、面白いくらい
場はそれに応えてくれません。
------------------------------------------------------------------
「全体への奉仕の精神に基づいて勇気を持ち出せる」
------------------------------------------------------------------
それこそが「弱さをさらけ出すこと」と「強さ」の関係を表しているように思
います。
時にはその弱さに付け込まれるかもしれませんが、それでも多くの場合、人は
それに応えてくれるかのように愛情を注いでくれます。
それがさらけ出した人の人間観を育てていきます。
人間に対する肯定的な思いがさらけ出す勇気を与え、周りの愛情により人間へ
の肯定性が高まるという好循環が回ります。
その周りの人たちも、心理的な安全性から弱さをさらけ出すようになり、肯定
性の好循環が回るようになる。
この好循環の広がりが「弱さを見せあえる」ことと「強さ」との関連です。
「強くなければ生きていけない。でも優しくなければ生きていく資格がない」
強さと優しさが二項対立として描かれているこの言葉に対し、弱さを見せあえ
る関係は、人としての強さと優しさが同居しているように思えてなりません。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【未来からの問い Vol.58 】
「場の進化を促す上で、あなたがさらけ出す必要のある弱さとは何ですか?」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
中土井 僚
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2.セミナー・ワークショップ情報
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■リーダーシップ・シフトプログラム エントリーコース
ケースで学ぶ仕事やプライベートに活かせるU理論に基づく問題解決法をご紹
介します。
日程 :2019年4月10日[水] 19:00〜21:30
場所 :オーセンティックワークス株式会社 セミナールームABC
https://goo.gl/48sq8H
参加費:3,240円(税込)(当日支払の場合は5,000円)
<詳細・お申し込み>
URL: https://k.d.combzmail.jp/t/r8v6/i096zkq0hva3oy21clP9h
■ビジョンインテグレーションアプローチ イントロセッション
当講座では、ダイバーシティに溢れるチームであったとしても、「違いを認め、
可能性の未来に向かって、力を結集する」ことを可能にするための原理・原則
をご紹介いたします。
日程 :2019年4月25日[木] 19:00〜21:30
場所 :オーセンティックワークス株式会社 セミナールームABC
https://goo.gl/48sq8H
参加費:2,800円(税込)
<詳細・お申し込み>
URL: https://k.d.combzmail.jp/t/r8v6/i0961kq0hva3oy21dly5b
■リーダーシップ・シフトプログラム ベーシックコース15期
自分自身と周囲の「自分らしさ」を解放することで、その人の強みが十分に発
揮される状態を創り、一人一人と場の進化をもたらし続ける全く新しいテクノ
ロジーをご提供いたします。
日程 :2019年5月25日[土]〜5月26日[日]
初日9:50〜18:30
2日目10:00〜18:30
場所 :オーセンティックワークス株式会社 セミナールームABC
https://goo.gl/48sq8H
参加費:(通常価格)127,000円(税込)
(2019/4/25までのお申込み)101,000円(税込)
<詳細・お申し込み>
URL: https://k.d.combzmail.jp/t/r8v6/i0963kq0hva3oy21dlMGh
■ビジョンインテグレーションアプローチ ベーシックコース16期
当講座では、個々人の内側に眠るビジョンを引き出し、チームの創発的な合意
を可能にする画期的なファシリテーション手法をご紹介いたします。
日程 :2019年7月6日[土]〜7日[日]
場所 :オーセンティックワークス株式会社 セミナールームABC
https://goo.gl/48sq8H
参加費:(通常価格)89,640円(税込)
(2019/6/5までのお申込み)79,920円(税込)
<詳細・お申し込み>
URL: https://k.d.combzmail.jp/t/r8v6/i0965kq0hva3oy21dl9EM
━━━━━━━━━━━━━━<発行者情報>━━━━━━━━━━━━━━
組織進化"刺激"マガジン『未来からの問い』
●発行責任者:國料 洋子
●発行元:オーセンティックワークス株式会社
●事業内容:組織進化コンサルティング
オーセンティックワークスは、社会変容テクノロジー「U理論」を活用した
プロセスコンサルテーションによって「ソーシャルフィールド(社会的な場)」
を転換し、他責・対立・迷走等、閉塞感のある組織を創発的な組織へと進化
させます。
●URL:http://www.authentic-a.com/
●お問い合わせ:
aw-office@authentic-a.com
●バックナンバー:http://backnum.combzmail.jp/?m=r8v6
●配信中止はこちら:https://regssl.combzmail.jp/web/?t=mt23&m=r8v6
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
Authentic Works 2019 All Rights reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━