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　組織進化"刺激"マガジン『未来からの問い』

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2011.8.26 Vol.5
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組織進化"刺激"マガジン『未来からの問い』とは？
大いなる問いが、大いなる未来を創る。人と組織の進化の実現に向けて日々奮
闘している変革者・経営者の方々に、 組織進化を刺激する 『コンセプト』と
『問い』を贈る探求支援型メールマガジンです。 U理論の観点に基づき、人と
組織の『WILL』を呼び覚ますメールマガジンを目指して頑張ります。
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１．未来からの問い No.5
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　　　　　　　　　　　　 本物の顧客志向

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中土井　僚　

■ 顧客志向の意図
組織開発の現場でファシリテーションを行わせていただいていると「顧客志向
が大切だ」「顧客を見ていない」という主張が頻繁に聞かれます。

顧客志向が大切だということには多くの方が同意されるかと思いますが、私は
この顧客志向という言葉を使う際には少し注意が必要だと思っています。

なぜならば、顧客志向という言葉の背景にある意図や文脈によって発想や言動
が全く異なってくるからです。

例えば、自分達がより儲けるための手段として顧客を見るのか、それとも、よ
り貢献する対象として顧客を見るのかという二つの意図。

顧客志向という言葉は同じでもどちらの意図かによって発想や言動が異なって
くるでしょう。そして、このことは業績などの結果にも確実に影響を及ぼして
います。

以前ある会社の経営者の方とお話をさせていただいていた際に、下記のような
やりとりがありました。

社長「経営理念を浸透させる必要がある」
私「なぜ経営理念を浸透させる必要があるのですか？」
社長「組織を一つにするためだ」
私「なぜ、組織を一つにしたいのですか？」
社長「それは、売上を上げるためだ」
私「では、売上を上げるために、経営理念を浸透させる必要があるということ
ですか？」
社長「・・・・。」

その経営者の方はとても素晴らしい人格者であり、理念に基づく経営を大切に
されていたため、自分の根本的な価値観とやろうとしていることが反している
ことに気付き言葉に窮してしまいました。

経営理念は目的であるはずなのに、いつのまにか売上を上げるための手段にな
ってしまっていたのです。このことが、社長が一生懸命に理念を説いても社員
はどこか違和感を覚えており、理念は浸透していかないという結果を生んでい
ました。

顧客志向という言葉に関しても同じです。顧客志向が目的として語られている
のか、手段として語られているのかによって影響は大きく異なってくるでしょ
う。

例えば、ビジネスシーンでは、顧客志向の他にも「顧客囲い込み」「顧客ロイ
ヤリティー」「顧客管理」などの顧客に関する様々な用語が使われていますが
普段私たちが当たり前のように使っているこれらの用語も、一度自分を顧客に
置き換えて考えてみるとやはり大きな違和感を覚えるでしょう。

「顧客である私はあの会社に忠誠を誓わされている」
「顧客である私はあの会社に囲い込まれている」
「顧客である私はあの会社に管理されている」

あなたはこのような会社のファンになりますでしょうか。

■本物の顧客志向を醸成するには？

本当に顧客のことを考えるというのは単純なように見えますが、決して易しい
ことではないようです。自分たちの都合が巧妙に入り込もうとしてしまうのが
人間の心理だからです。

私はこの人間の心理を越え組織に本物の顧客志向が根付いていくためには、世
の中におけるあなた自身や組織の存在意義を常に問い、自らを省み続ける必要
があると考えています。

自分たちは何のために存在しているのかという意識が深く醸成されている組織
ほど本物の顧客志向であり続けることができるのではないでしょうか。

今回はこの組織の存在意義を探求し、醸成するための問いをお贈りします。
ぜひ、この問いをもとに対話を行ってみてください。


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┃　　　　　　　　　　　【未来からの問い No.5】 　 　　　　　 　　　┃
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┃  「あなた（の組織）は、何が果たせなくなったら、　            　　┃
┃　　                                自ら暖簾をたたみますか？」  　┃
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━━━━━━━━━━━━━━＜発行者情報＞━━━━━━━━━━━━━━
組織進化"刺激"マガジン『未来からの問い』
●発行責任者：古江 強
●発行元：オーセンティックワークス株式会社
●事業内容：組織進化プロセスコンサルティング
 オーセンティックワークスは、社会変容テクノロジー「U理論」を活用した
 プロセスコンサルテーションによって「ソーシャルフィールド(社会的な場)」
 を転換し、他責・対立・迷走等、閉塞感のある組織を創発的な組織へと進化
 させます。
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