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タイプラボ・フォントNEWS
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         [タイプラボ・フォントNEWS]
           2006年01月 第25号 
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このメールマガジンは、タイプラボのWEBサイトで無料フォントの使用者
登録をしていただいた方、タイプラボのフォントを購入していただいた方、
このメールNEWSの読者登録をされた方、などに配信しております。

あけましておめでとうございます。お正月休暇をのんびりと過ごされました
でしょうか。お正月って意外に忙しかったりしますよね。飲み過ぎ食べ過ぎ
で疲れた身体や心を、そろそろ引き締めましょう!

このメールマガジンも、とうとう3年目に入りました。今号は、【フォント
の商業利用について】、【新着フォント情報】、そして【書体の基礎知識・
欧文編】という内容です。



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【フォントの商業利用について】 お手持ちのフォントはどうでしょうか?
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フォントはソフトウエアの一種です。フォントファイルは、作者や販売者の
許可なく複製して配布したり人に譲ったりしてはいけないものです。違反者
が摘発された報道などが時々ありますので、その辺のルールはそろそろ浸透
してきたかもしれません。

では、正当に入手したフォントを利用するときのルールについては、どうで
しょうか?
ふつう、フォントには「使用許諾・利用許諾・ライセンス」などの名がつい
た文書がついてきます。そこに、フォントの制作販売者と利用者を取り持つ
約束事がいろいろと記されているわけです。
今回は、その約束事のひとつ「商業利用」について調べてみました。


●どのような使い方を「商業利用」と言うのでしょうか?

商用使用・商用利用・商業使用・業務使用…などの言葉も、同じ意味として
使われています。
印刷物の制作・映像物の制作・WEB制作・屋外表示物の制作・各種ロゴタイプ
の制作などが、商業利用の範囲とされているようです。
また、ソフトウエアや機器などに、フォントファイルを丸ごと含めたりする
ことは、ふつう「商業利用」の範疇ではなく、フォントの「搭載」や「バン
ドル」などと呼ばれる、別次元のお話しだと思います。

●フォントを購入しても商業利用することはできない?

せっかく気にいったフォントを見つけて購入したのに、そのフォントを商業
利用するには「別途契約」や「追加料金」を必要とする、フォント制作・販
売会社もあります。

●デザイン・印刷業界系のフォント制作・販売会社では

最初からデザイン・印刷業界を対象に書体を提供してきた会社のフォントは、
「商業利用」についての制限は少ないようです。
デザイン・印刷というものが、最初から商業と密接な関係なのですから当然
のことだと思います。
しかし、映像・放送での使用には制限がある場合が多いようですので、ご注
意ください。

●パソコンの普及と共に発足したフォント制作・販売会社では

「個人利用」と「商業利用」を、はっきり区別して考えている場合が多いよ
うです。
「個人利用」だけなら安価な製品、「商業利用」するならば高価な製品、と
2系統に分けている会社もあるようです。

●ホームページやPDFでの利用には

WEBサイト制作や、PDFへのフォント埋め込みについては、ちょっと微妙で複
雑です。問題ないというフォント会社もありますし、追加料金を必要とする
フォント会社もあります。PDFへのフォント埋め込みを許可しないフォント
制作・販売会社もあるようです。

●パソコンに最初から含まれているフォントは

パソコンのOSに最初から搭載されているフォントの「商業利用」についても
少し調べてみましたが、あまりはっきりと記されていないようです。
パソコンに最初から入っているフォントが、商業利用してはイケナイもの
だったら、誰もパソコンを使わないし買いませんよね…。

・この記事は、インターネットで公開されている情報を元にして、まとめた
 ものです。
・以下に掲載した情報は、製品フォントを制作・販売しているサイトに限ら
 せていただきました。
・商業利用に関する情報が、はっきり掲載されているサイトを主に掲載いた
 しました。
・無料で頒布されているフォントでも、商業利用禁止というものがあります
 し、「商業利用」するときは、連絡や料金が必要な場合があります。
・入手済みのフォントや、これから購入を予定しているフォントの「商業利
 用」情報については、各自が、フォント制作・販売会社の公式サイトや、
 フォント製品に添付されている文書で、確認していただきたいと思います。


●ダイナコムウェア
http://www.dynacw.co.jp/
商用利用許諾について
http://www.dynacw.co.jp/license/business/index.html

●ニィス
http://www.nisfont.co.jp
ライセンス…使用許諾書
http://www.nisfont.co.jp/home/kyodaku/kyodaku1/kyodaku1.html
ライセンス…二次使用権
http://www.nisfont.co.jp/home/kyodaku/kyodaku2/kyodaku2.html

●リョービイマジクス
http://www.ryobi-group.co.jp/imagix/font/index.html
OEM・受託制作・商用利用許諾
http://www.ryobi-group.co.jp/projects/printing/products/f_oem.html

●イワタ
http://www.iwatafont.co.jp/
商利用権
http://www.iwatafont.co.jp/MO_USE/use.html

●モトヤフォント
http://www.shopgear.ne.jp/cgi-bin/affiliate.cgi?sid=motoshop&aid=o2002090201z
フォントのライセンスについて
http://www.motoyafont.jp/license/index.html

●千都フォント
http://www.screen.co.jp/ga_product/sento/index.html
ライセンス
http://www.screen.co.jp/ga_product/sento/license/index.html

●視覚デザイン研究所
http://www.vdl.co.jp/vdl/index.html
ライセンス(商用使用料金表)
http://www.vdl.co.jp/vdl/licence/index_l.html

●エイワン
http://www.aone-corp.co.jp
仕様と使用許諾書
http://www.aone-corp.co.jp/spec.html

●タイポグラフィックス解
http://www004.upp.so-net.ne.jp/font-kai/ 
使用許諾契約書及び製品仕様
http://www004.upp.so-net.ne.jp/font-kai/Estimate2.html

●たかデザインプロダクション
http://www.takadpro.com
ライセンス
http://www.takadpro.com/menu04.html

●シーアンドジイ
http://www.c-and-g.co.jp
ソフトウエア使用許諾契約書
http://www.c-and-g.co.jp/business/licence.html

●リコー
TrueTypeWorld
http://font.ricoh.co.jp/
商用使用許諾
http://font.ricoh.co.jp/solution/licence.html

●NEC
FontAvenue
http://www.sw.nec.co.jp/soft/font/
FAQ第5集(商用利用について教えてください)
http://www.sw.nec.co.jp/soft/font/faq_5.html#Q5


●モリサワ
http://www.morisawa.co.jp
モリサワフォントの商業利用に関して
http://www.morisawa.co.jp/font/info/commercial_use.html
 
●フォントワークス LETS
http://www.fontworks.co.jp/lets.html
業界別LETS
http://www.fontworks.co.jp/lets/gyoukai/index.html

●丸岡白舟印舗]
http://www.hakusyu.com/
お問い合わせ
http://www.hakusyu.com/qaform/kyodaku.html

●キヤノン
FontGallery
http://www.canon-sales.co.jp/Product/appli/fontgallery/index-j.html
使用許諾について
http://www.canon-sales.co.jp/Product/appli/fontgallery/permit.html

●タイプラボ
http://www.type-labo.jp/
よくある質問(Q & A)
http://www.type-labo.jp/QandAwaku.html


●マイクロソフト
マイクロソフトの著作物の使用について(フォント)
http://www.microsoft.com/japan/legal/permission/copyright.mspx#EJE

●アップル
MacOSX ソフトウェア使用許諾契約
http://store.apple.com/Catalog/Japan/Images/EA0157_MacOSX.html
MacOS9 ソフトウェア使用許諾契約
http://store.apple.com/Catalog/Japan/Images/EA0094_MacOS9.html



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【新着フォント情報】最近発表されたフォントや最近発見したサイトなど
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●漢字を持つアンチック体
「ZENアンチック」「ZENアンチックS」の2書体が、2006年1月11日リリース。
http://www.aone-corp.co.jp/

●平野甲賀氏×川畑直道氏による対談連載「描き文字考」
大日本スクリーン千都フォントのサイト内ページ。こういう記事を無料で読
むことができるのは幸せですね。
http://www.screen.co.jp/ga_product/sento/pro/

●12万字から成る世界最大の漢字フォントセット「T書体フォント」
東京大学大学院情報学環坂村研究室。「T明朝体」「Tゴシック体」「T楷書
体」の3書体が用意されるので、公開されるフォントデータは合計約35万文
字となる。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0512/15/news084.html
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/12/13/023.html



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【欧文書体の基礎知識】オールド・ローマン体(後編)  今田欣一(寄稿)
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【C】オランダ――ファン・ダイク

1 クリストフェル・ファン・ダイク(1601―69)

 17世紀のオランダを代表する活字父型彫刻師としてクリストフェル・ファ
ン・ダイクがいる。ファン・ダイクは、当時最高水準にあったアントワープ
のプランタン印刷所で、ギャラモン活字をしっかりと研究していたと推測さ
れる。したがってフランチェスコ・グリフォからクロード・ギャラモンに継
承されたオールド・ローマン体の流れを、ファン・ダイクが間接的にうけつ
いだといえる。
 ファン・ダイクの活字は、その死後に活字鋳造所の資産を落札したダニエ
ル・エルゼヴェルの未亡人によって発行された活字書体見本帳(1681年3月
発行)によって、ひろく紹介されることとなった。
 ダニエル・エルゼヴェルの未亡人は、ファン・ダイクの活字をふくむ活字
鋳造設備一式を1683年5月に、アムステルダムの印刷者エセフ・アシアスに
売却した。その後も売却がくりかえされるが、結果的にはハーレムのエンス
ヘデ活字鋳造所にファン・ダイクの活字のすべてが伝わったのである。
 なおファン・ダイクを筆頭とするオランダのオールド・ローマン体は、独
特の黒みや骨格の頑丈さをもっているために、現在では「ダッチ・オールド・
ローマン」と呼ばれている。

2 ヤン・ファン・クリンペン(1892―1958)

 ハーレムのエンスヘデ活字鋳造所は19世紀には沈滞していたが、1920年代
になると、ヤン・ファン・クリンペンという傑出したタイポグラファの登場
によって、一気に活気をとりもどした。
 クリンペンが最初に設計した活字書体が「ルテツィア」で、父型彫刻師
P・H・レディシュによって具現化された。この書体はモノタイプ社のスタ
ンリー・モリスンによって注目された。
 スタンリー・モリスンは、ファン・ダイクの活字を復刻するという企画に
あたり、クリンペンにアドバイザーを頼んだ。クリンペンのアドバイスによ
り、機械による活字父型がモノタイプ社のスタッフの手でつくられた。こう
して一九三五年に完成した復刻書体「ファン・ダイク」はオランダを代表す
る活字書体となった。
 クリンペンは、ほかにもいくつかの活字書体を設計している。なかでも一
九五二年に完成しエンスヘデ活字鋳造所から発売された「スペクトラム」は、
1955年にはモノタイプ社からも発売されている。

【D】イギリス――キャズロン

1 ウィリアム・キャズロン(1692―1766)

 オールド・ローマン体はイタリアで生まれ、優美なフランス活字、武骨な
オランダ活字へと地域的な変化を遂げながら、ついにはイギリスに到着する
のである。
 ウィリアム・キャズロンは20歳代のなかばから独立し、製本師ジョン・
ワッツと印刷者ウイリアム・ボイヤーの援助を得て活字製作をはじめた。わ
ずか数ヵ月後には独自の地位を固めて、その活字鋳造所をイギリスで最大規
模にしている。
 当時のイギリスはオランダのローマン体が流行していた。キャズロン活字
はアムステルダムの父型彫刻師ディルク・ヴォスケンスの活字をモデルにし
たといわれるが、その武骨な特質を穏やかにして洗練さをくわえたことに
よって「イギリス風で快い」という称賛をえたのである。
 1734年にキャズロンは枚葉の活字書体見本帳を発行、さらに1738年にその
再版が出版された。1763年には製本された最初の活字書体見本帳がキャズロ
ン活字鋳造所から発行されている。この見本帳がキャズロン最晩年の仕事に
なった。

2 チャールズ・ウィッティンガム(1795―1876)

 18世紀のアメリカでは、活字書体はイギリスからつたわっていた。した
がってキャズロン活字の改刻はアメリカの活字鋳造所でおこなわれたが、も
はやキャズロン活字とは思えないほどアメリカ風に変化してしまっていた。
 イギリスでは、その後キャズロン活字はしばらく人気が低落していたが、
チャールズ・ウィッティンガムの個人印刷所チズウィック・プレスで、キャ
ズロン活字の父型からあらためて母型をつくりなおして、その活字を使用し
た書物を1844年に印刷したことで、ふたたびキャズロン活字の人気が復活し
た。
 キャズロン活字鋳造所は、1936年にイギリスのスティヴンスン・ブレイク
社に買い取られてその長い歴史に幕をおろしている。


ファン・ダイク
http://www.fonts.com/FindFonts/detail.htm?pid=205256
http://www.fontfactory.com/index.php/designers_id/642

スペクトラム
http://www.myfonts.com/fonts/linotype/spectrum/

キャズロン
http://www.myfonts.com/search?search%5Btext%5D=Caslon

●今田欣一さんのサイト「欣喜堂★活字書体設計」
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/kinkido/



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【Windowsのフォントトラブルで困っていませんか】
 2号目に掲載した情報ですが、トラブル体験者が多いので毎回掲載します
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 以下のようなフォントトラブルを解消します。
・ウィンドウ右上の最大化や最小化ボタンが数字などになってしまう
・ドロップダウンリストの▼や、スクロールバーの矢印が、
 数字やおかしな文字になってしまう
・アプリケーションで選択できるフォントが減ってしまう
・フォントをインストールできない
・フォントをインストールしても、アプリケーションのフォントリストに
 反映されない
・フォントが横向きになってしまう

●フォントトラブル対処法とフォントの限界
http://homepage2.nifty.com/winfaq/fontstrouble.html



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【以下はタイプラボからのお知らせです】
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★今年最初の号です。原稿は年末までにまとめておくべきですね。あまり休
 んだ気がしませんでした。ことしもヨロシク!

★「書体の基礎知識」欧文編、次回は「スクリプト体」の予定です。
 漢字書体編は、当サイト上で↓まとめて見られるようになりました。
 http://www.type-labo.jp/Shotainokisowaku.html

★当サイトの掲示板をご存じでしょうか?
 あなたのパソコン内の画像を掲載することもできます。

●読者の広場、フォントに関係ない話題でもOKな掲示板
 http://www.type-labo.jp/Dokusyanohiroba.html
●書体やフォント情報全般の掲示板
 http://www.type-labo.jp/Danwasitsuwaku.html
●セプテンバーフォントの掲示板
 http://www.type-labo.jp/Septkeijiban.html
●あられフォントの掲示板
 http://www.type-labo.jp/Araletkeijiban.html
●キャパニトフォントの掲示板
 http://www.type-labo.jp/Capanitodohkohkai.html
●アニトフォントの掲示板
 http://www.type-labo.jp/Anitokeijiban.html
●えれがんとフォントの掲示板
 http://www.type-labo.jp/Elegantodohkohkai.html
●墨東フォントの掲示板
 http://www.type-labo.jp/Bokutohkeijiban.html

★フォントNEWSバックナンバーは↓こちらで見ることができます…
 http://bn.combzmail.jp/bn/e0wy_backnumber.htm


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◎タイプラボのフォントは、以下の2つの方法で購入できます。

▼▼CDでお届け式▼▼
・価格と詳細、購入手続きなどは↓こちら(ピーシークラフトに販売委託)
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▼▼ダウンロード式▼▼
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■    ■       タイプラボ・フォントNEWS 第25号
  〜〜    創刊日  2004年1月8日
 ―◯◯―   発行者  有限会社タイプラボ 佐藤 豊
  ……    MAIL typelabo@type-labo.jp
■    ■  WEB  http://www.type-labo.jp/
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