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「人間と自然の共生」


おはようございます。

10月7日水曜日、2015年後半期が始まりました。

今年も後3ヶ月となりました。

■今年も日本人のノーベル賞受賞者が2人でました。

自然界に生存している菌がつくる物質から薬品への道を開いた
大村智博士に続いて、
宇宙自然に存在している素粒子、ニートトリノに質量があることを
観測で証明した梶野隆章博士。

テレビで会見を拝見すると
大村博士も梶野博士も素朴てとてもいい顔していますね。

奇をてらうこともなく、
実直に仕事をしてきた自然体の姿が素敵ですね。

■自然科学は自然を征服し支配するのではなく
自然の一部である人間との共生にためにある。

特に日本人は自然と対決するのではなく
自然と共生する文化を持っています。

立て続けの朗報に日本人として嬉しくなります。



我々人類は自分の身体も自然であり解明されたいないし、
我々が生息している宇宙や自然もわかっていない。

我々がつくる組織も社会も作った人間もすべて自然のいのちである。

このような生態系思想の中で
仕事をしたいものですね。




さて、
本日のテーマ
====================
「人間と自然の境界」
「日本人の価値観:生命本位の再発見」(立花均、ぺりかん社)より
==================


■欧米の人達、特に社会的規範を身につける大人社会では
人間と動物には明確な境界がある。

立花先生のペットの葬式について違和感があるかどうかの視点を
紹介しました。

欧米文化の原点に創世記の物語りが紹介されています。

神は6日間で天地万物を創造された。

天と地、陸と海、太陽と月、
そして陸・海・空に棲む動物達。

そして7日目に最後に人間を神に似せて
創られた。

人間に動物を含み自然を治めさせようと。


■人間は創造者、神に似せて作られているから
他の動物とは決定的に違うのである。

人間と動物の境界があるように神と人間とも境界がある。
連続すると考えるのは神への冒涜であると見なす。

だからキリスト教世界では人類の起源に猿人が連続的につながる
ダーウインの進化論は激しい批判を浴びた。

両者の連続性を説く進化論は罰当たりに思想だと。

しかし
日本ではすんなりと受け入れられた。


■日本の古事記ではイザナキ、イザナミ、
その子供であるアマテラス、スサノウ始め多くの神々が
ひとづくり、こめづくり、むらづくり、くにづくりを行っている。

人間臭い神であり、人間との境界はない。

社会貢献したリーダーが死ぬと神として祀られ
先祖は神になる。

古事記の中にはワニを騙す因幡の白兎、酒を呑んで暴れる大蛇、
人間と会話するヒキガエルなど人間と連続する動物が
登場する。

■日本人は動物など自然と人間の間に境界を引かない。


欧米文化が入って150年経つが日本人の根底に流れている
生命観は変わらない。

この世界観はキリスト教徒と異教徒の間の境界にもあった。

キリスト教の価値観で進展した近代西洋文明は
マヤ文明やインカ帝国など異教徒を滅ぼし、
アジアでの植民地帝国競争まで進み、
石油石炭の大量消費、原子力に脅威、環境問題など
自然を支配し人類の持続可能性を脅かしている。

しかし脱近代西洋思想には社会を生態系、いのちと見る
思想がサブカルチャーとして芽生えている。

遅れていると観ていた日本人のいのちの価値観が
世界的に蘇る予感がする。



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imaoka@bizdyn.jp

今岡善次郎


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